オリンピックでも男女混合のリレーとかもありましたし、馬術などは昔から男女の別なく競技を行っています。
イギリスを中心に人気のあるスヌーカーやダーツなどのプロ・スポーツでも、いちおう男女別の選手権はあるのですが、賞金額の大きい男子の大会に女子が参加することが認められている大会もあるようです。
いま行われているブリティッシュ・オープンもそんな大会なのですが、アイルランドのマーク・アレン選手の1回戦の相手はリアンヌ・エヴァンス選手。実は2人は2008年に別れるまで3年ほどつきあったことがあり、2人の間には現在14歳の娘さんもいるそうです。
3フレームを先に取った方が勝ちの試合だったのですが、エヴァンス選手が2-1 でリードした第4フレーム、赤いボールをあと1個落とせばほぼ試合が決まるというところでミス。そのフレームを取ったアレン選手が第5フレームも奪って2回戦へと進みました。エヴァンス選手が勝てば、テレビ中継されている試合で女子選手が男子選手に勝った初めてのケースとなるところでした。
試合前の拳を合わせる動作 (コロナのために握手の代わりに拳を合わせます) をエヴァンス選手が拒否したので、2人の間に険悪なムードが漂っているようにも見えたのですが、エヴァンス選手によれば試合前にそういった動作はしないことが決まっていたそうです。
アレン選手は、「何度も体験したいような状況でなかったことは確かだが、プロとしての態度を可能な限り保つようにした。他の試合と同様に、敬意を払うべきところは敬意を払った。彼女はいいプレイをしたと思う。第4フレームの彼女はアンラッキーだった。あの時点では彼女の方が勝利に値していただろう。彼女は私よりうまくプレイした」と言っています。
エヴァンス選手は、「誰もこうした試合を望まないが、相手のプレイヤーには敬意を払う必要がある。(負けたことは)くやしいが、同時に誇りにも思っている。もっと多くの女性がスヌーカーをプレイするようになり、強くなれるんだということに気付いてくれればいい」
実は今年の初めにも2人の間にはちょっとした出来事がありました。4月、アレン選手が出場する世界選手権の試合で、エヴァンス選手がテレビの解説を務めることになっていたのですが、「集中できない」という理由でエヴァンス選手が解説から外れることをアレン選手が要求し、実際にエヴァンス選手が外れたことがあったそうです。
ダーツの世界では強い日本人の女性選手がいます。BDO (British Darts Organisation) の女子世界選手権で2連勝 (2019 年と2020年) している鈴木未来 (みくる) 選手です。
鈴木選手は男女の別なく参加できる2020年 PDC 世界ダーツ選手権に出場して男子選手と対戦し、1回戦で惜しくも3-2で敗れました。その2日後、イギリスのファロン・シャーロック選手が男子選手を破り、この選手権で初めて男性選手を破った女性選手となっています。