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アストラゼネカのワクチンに関する懸念

 

 

ノルウェーでワクチン接種後に血栓ができたという報告を受け、アストラゼネカの新型コロナ・ワクチンの使用をアイルランドでも一時的に見合わせるという決定がなされました。

 

www.irishtimes.com

 

 

Q アストラゼネカのワクチンとは?

A オックスフォード・アストラゼネカ・ワクチンとも呼ばれますが、アイルランドで Covid 19 対策として認可されている4つのワクチンの1つ。あとの3つは、ファイザー/ビオンテック、モデルナ、ジョンソン&ジョンソンです。

 

Q アストラゼネカのワクチンはどのように働くのは?

A アストラゼネカのワクチンは、ファイザーやモデルナの mRNA ワクチンとは異なります。これらは、コロナウイルスの遺伝子コードの一部を人体に入れることで、免疫系の反応を促すもの。アストラゼネカのワクチンは、一般的な風邪のウイルスを弱め、コロナウイルスに似せて改変したものです。

 

ワクチンによって病気になるわけではありませんが、接種することにより、人体の免疫系はコロナウイルスとどう戦えばいいかを学習することができます。ワクチンを一度注射するだけでも、重症化や入院の可能性を80%以上減らすことができます。

 

Q なぜ今、ニュースになっているのか?

A アイルランドの主任医務官代理のローナン・グリン博士が、日曜の朝、医療製品規制局 (HPRA) との協議の結果、国家免疫顧問委員会 (NIAC) はアストラゼネカのワクチンの投与を一時的に停止することを推奨するという声明を発表したからです。

 

Q なぜこの決定がなされたのか?

A ノルウェーの当局が、アストラゼネカのワクチンを接種した成人に深刻な血栓ができた例が 4 件あったと発表したから。ただし、ワクチン接種と血栓の間になんらかの関係があったと結論付けられたわけではありません。予防措置としての一時停止です。

 

Q ワクチンに関する安全性の懸念はどれほど深刻か?

A NIAC のチェアパーソンであるカリナ・バトラー教授は、日曜日、COVID 19 による重症化を防ぐというアストラゼネカ・ワクチンの証明された効果について、非常に喜ばしく思っている、と話した。

 

バトラー教授は、通常は予期されない 4件の非常に深刻で非常に珍しい血栓が報告された、と話した。ただし、「ワクチンを受けたかどうかにかかわらず、血栓は起こりうる」としている。バトラー教授は、これらの報告は過剰反応であること、そして1週間以内に安全性の懸念に関して意思決定がなされることを望むとしている。

 

NIACは今日の昼の声明でこういっている。「HPRAでは、ノルウェーと同様の報告は受け取っていない。117,000回分を超えるアストラゼネカ・ワクチンがアイルランドでは投与されている」

 

日曜の朝、RTEのラジオに出演したグリン博士は、ノルウェーでは非常に深刻で非常に珍しい血栓が30代、40代の人の脳にできたが、アストラゼネカのワクチンがこれらの原因となったという証拠はない、としている。しかし、予防的な措置としてアストラゼネカ・ワクチンの投与を一時停止する、としている。

 

Q ノルウェーで何が起きたのか?

A アストラゼネカのワクチンを接種したさらに 3 人の医療関係者が、出血、血栓、血小板数の低下により入院したと、ノルウェーの当局が土曜日に発表した。3人はいずれも50歳以下。ノルウェー当局によれば、同様の症例が他の国でも報告されているとのこと。ノルウェーは木曜日にアストラゼネカのワクチンの投与を停止した。その後、デンマークアイスランドも同様の措置をとった。欧州医療局は調査を続けている。

 

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Q 今後の展開は?

A グリン博士と NIAC は日曜に協議を続ける。スティーブン・ドネリー厚生大臣は、今回の一時的な停止は予防的な措置であり、NIAC の会議後に新たな情報を提供する、としている。

 

Q アストラゼネカのワクチンを既に受けた人はどうすればよいか?

A グリン博士によれば、ワクチンを受けた後で、けだるさ、筋肉痛、発熱などの症状が出ることは珍しいことではない。ワクチン接種後に症状が 3 日以上続く場合や、肌に青いあざができてきた場合は、医師に相談するように、とのこと。

 

Q アストラゼネカのワクチンを受ける予定だった人はどうなるか?

A このワクチンを受ける予定だった医療関係者や既往症のある人への注射は停止される。70歳以上の人へは引き続きファイザーとモデルナのワクチンが与えられる。

 

Q アストラゼネカのワクチンが使えないとしたら、アイルランドのワクチン・プログラムにどういう意味があるか?

A ワクチンの展開がさらにスローダウンする。アストラゼネカからの供給プログラムはこれまでも繰り返し遅れが生じていた。3月の最初の週の終わりまでに、アイルランドに供給されたワクチンの約5分の1がアストラゼネカの分 (合計613,650回分の中の122,400回分)。

 

政府では、4月から6月までのワクチン接種のうち21%がアストラゼネカのものになると予測していたので、このワクチンが使用できないとなれば大きな打撃となる。

 

Q アストラゼネカのワクチンはどのくらいアイルランドに入ってくる予定だったか?

A アストラゼネカは3月末までにEU に対して 9,000 万回分のワクチンを出荷すると約束していたが、製造プロセスに問題が出て、この数を先月4,000万に減らした。これが先週には3,000万に減り、この結果、アイルランドが受け取るアストラゼネカ・ワクチンは45,000回分減った。

 

アイルランドにおけるアストラゼネカ・ワクチンの割合は既に40%から20%に減っているが、4月からワクチン接種回数を週に45,000回に増やすにあたって、引き続きアストラゼネカのワクチンの供給に依存している。

 

Q アストロゼネカのワクチンを投与されていたのは誰か?

A アストロゼネカのワクチンは70歳以上に効くという十分な証拠がなかったので、高齢者にはモデルナとファイザーのワクチンが投与されていた。したがって、アストロゼネカのワクチンは主に医療関係者が接種していた。3月10日の時点で、アストラゼネカの投与数は 109,302、ファイザーが442.485、モデルナが18,554。ジョンソン&ジョンソンは先週認可されたばかり。

 

Q アイルランドで副反応は報告されているか?

A ワクチンの安全性に関する最新のレポートは2月25日付けのもの。アストロゼネカのワクチンについては954件の報告が上がっている。頭痛、筋肉痛、手足の痛み、吐き気、発熱がそれぞれ全体の10%を超える。

 

味覚の変化、せき/呼吸困難、めまい、心拍数の上昇、関節痛、嘔吐、脱力感、けだるさ、熱っぽさ/寒気、発汗がそれぞれ10%以下。

 

血液に関する報告もあるが、ノルウェーの例と同じ種類のものではないとのこと。

 

 

 

 

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