昨日、ツイッターを見ていたら、ジェリー・アダムズがトレンドに上がってきてたんですね。アダムズさんとは、もちろんシンフェイン党の元党首のアダムズさんです。
ある程度年配の方がトレンドに上がってくると、亡くなられたのか、とつい思ってしまうのですが、そうではなくてよかったです。
何かと思って検索してみたら、アマゾン・プライムがやらかしてました。上のスクリーンショットで、「United Ireland」もトレンドに上がっているのがヒントになります。
発端はこちらのツイート。
「ラグビーのイングランドとジョージアの試合、中継するよー。UK 在住の人だけ視聴できまーす」
これに北アイルランド在住のユーザーがレスを付けます。
「番組リストにラグビー中継が出てこないんだけど」
アマゾンの親切なサポート担当者が助けに来てくれます。しかし、これが悲劇の始まりでした。
「お困りですか?」
使用デバイスや接続方法の確認のあと、アマゾンのサポート担当者が爆弾を落とします。
「申し訳ありませんが、あなたは北アイルランドにお住まいです。ラグビー中継は UK にお住まいの方のみに提供しています。UK以外の場所に配信する権利をウチはもっておりません」
リツイート数や「いいね」数を見てください。盛大にバズってますね。
このあとも、アマゾンのサポート担当者は北アイルランドは UK ではないのでラグビー中継は見られないと言い募ります。このあたり↓のやりとりは、アマゾンのおとぼけぶりが秀逸。
そしてやっとアマゾンも間違いに気付いて訂正ツイート。
しかし、この頃にはもう火の手は広がり、野次馬が集まってきている状態。
シンフェイン党のジェリー・アダムズが何十年頑張っても実現しなかったアイルランド統一を、アマゾン・プライムが一夜にして成し遂げたと冷やかす人も出てきます。
こんなネタでアダムズさんもトレンド入りしたくなかったと思いますが。
アダムズは IRA のメンバーではなかったとずっと言い張っているのですが、それを揶揄するこんなツイートも。
「私がアマゾンのメンバーだったことは今も昔もない」。「IRA」を「アマゾン」に代えているわけです。
アマゾンに対して、アイルランドを統一してくれたことにちゃっかり礼を言う人や、スコットランドの独立も合わせてお願いする人も出てくる始末。
どちらもアマゾンの回答が飄々としていて毒気を抜かれます。これは狙ってやっているのか、素なのか、どちらなんでしょう。
アマゾンのツイートで最高なのを最後にご紹介します。
アイルランドの視聴者にラグビーの生中継がないことをお知らせするツイート。
「We apologize for the troubles」
大文字で「the Troubles」と書くと1960-90年代の北アイルランド紛争のことを指すのはご存じと思いますが、アマゾンは代表して the Troubles にも謝罪してくれるのかと。しかし、これ、狙ってやってるんだとしたら凄い頭脳集団がバックについてますね。さすが、コンテンツ産業の風雲児だけのことはあります。
この件に関する一連のツイートはこちらから。
You do 𝓃𝑜𝓉 want to miss this one...
— Amazon Prime Video Sport (@primevideosport) 2020年11月14日
England 🆚 Georgia live and exclusive to UK #PrimeVideo members from 3pm 👊#ENGvGEO pic.twitter.com/JTirMluTk3
新聞記事にもなってます。