日本では「肌色」っていう絵の具や色鉛筆ははもうほぼ絶滅したらしいですね。欧米では「肌色」なんていう言い方はなくて、日本で「肌色」という言葉が使われるのは多様性に関する意識が低かったからだ、なんていう主張を見ることがありますが、ほんとうでしょうか。ちょっと検証してみたいと思います。
もちろん英語で Skin Colour なんていうと、肌の色ということですから、絵の具の色として「Skin Colour」なんてのはありません。
しかし、Flesh Tint (直訳: 肉体の色合い) という白人の肌の色をした絵の具あるし、ファッション界だと色の描写として Nude (ヌード) という語がよく使われます。
Flesh という色の名前の絵の具の例
Flesh Tint (Winsor & Newton 社)
Flesh Ochre (K&M Evans 社、アイルランドの画材商)
Caucasian Flesh Tone (白人の肉体の色合い)。こちらはちょっと気を遣ったのか「白人の」を追加している。(Gamblin 社)
それから、こちらはファッションブランドの老舗のバーバリーで「Nude」という単語で検索した結果(19件のヒット)。ここでは化粧品がたくさんでてきますが、衣類の色でもNude という語はよく使われます。
https://ie.burberry.com/search/dotcomreportingcolour=beige/?query=nude
"Nude" という色の説明 (英語)。 オーストラリアの Canva (キャンバ) というオンライン デザイン ツールのサイトより。
https://www.canva.com/colors/color-meanings/nude/
だいたいにおいて、「海外では~」なんていう人は、自分に都合のいい話をチェリーピッキング (いいとこ取り) してるだけに過ぎないことも多いので、話半分くらいに聞いてください。