最近バッジをよく買っているのは、あるコレクターの方がいろいろコレクションの整理を初めているみたいで、昔の珍しいバッジをいっぱい adverts.ie で売りに出しているからです。その中の 1 つがスワスティカ・ランドリーのバッジ。これは私が気づく前に売れてしまったので残念ながら私は購入できませんでした。小さい写真ですがこちら↓。これ欲しかったなあ。35ユーロで売れてました。
スワスティカ・ランドリーは 1912 年から 1987 年までダブリンのボールブリッジで営業していたクリーニング業者です。もちろんナチスがそのシンボルにスワスティカを採用する前から営業しています。
スワスティカはサンスクリット語の Svastika に由来し、吉祥や美徳を表すものとされています。まあ良い意味を持つスワスティカという意匠をナチスが乗っ取ったということでしょう。スワスティカ・ランドリーの創業者だったリートリム出身のジョン・ブリテンさんはこの意匠が好きだったみたいで、自分が所有する馬にも「スワスティカ・ローズ」という名前を付けていたそうです。
ナチスの悪評が広まり始めた 1939 年には、名前を「The Swastika Laundry (1912)」に変更します。つまり、年号を付け足して「ウチはナチスより前からこの名前でやらしてもらってます」ということをはっきりさせたわけです。
1960 年代後半に別のクリーニング会社に買収されるのですが、名前とスワスティカのマークは変更されることなく 1987 年まで営業を続けました。
スワスティカ・ランドリーがあった場所は不動産ブームの頃に再開発され、今は The Oval というオフィス・ビルが建っています。ランドリーの煙突だけは取り壊されずにビルの中庭に残されているそうです。昔はこの煙突にもスワスティカが描かれていて、周りからよく見えていたそうですが、残念ながらこれは消されているそうです。
昔は戦争時も戦後もスワスティカのマークが大きく描かれた同社のバンがダブリンの街なかを走り回っていたようです。
以下に写真をご紹介します。
参考:
Swastika Laundry (1912 – 1987) | Come Here To Me!