たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

アイルランドに来てから30年たちました

先月末でアイルランドに住み着いてから30年が経ちました。1993年の1月末にきて、最初はたしかダンレアリのB&Bに泊まったのでした。最初にしたことで覚えているのは、オコネル橋のそば、エデン・キーにあった映画館で「ホーム・アローン2」を見たこと。最後尾にはカップル用の2人掛けの椅子がありましたね。今はラフター・ラウンジというコメディ劇場になっています。

 

先日いろいろ整理をしていたら、昔乗っていた車の写真がでてきたので、それを見ながら30年を振り返ってみたいと思います。

 

まず、こちら。ルノー4です。アイルランドに来てから2年ほど経った1995年の12月に「Buy & Sell」という雑誌で探して買いました。10年落ちの中古で値段は980アイリッシュ・ポンドでした。

 

 

この車は何といっても形がかわいいですよね。手入れも綺麗にしてあって、買った当初は赤い色がピカピカしていました。この車はギアの位置が変わっていて、ハンドル左手のダッシュボードから運転手に向かってスティックが突き出しているんですよ。一番手前のところが少し上に曲がっていて丸い玉がついており、それを上から握って操作したと思います。

 

この車はいろいろトラブルがありました。ラジエーターに穴が開いたのですが、ラジエーターを交換するお金がありません。当時ラネラに住んでいてブランチャーズタウンの会社に通っていたのですが、途中のフェニックスパークでオーバーヒートの赤いランプが点くのです。そこで水を入れた2リットルのペットボトルを用意しておいて、フェニックスパークでランプが点灯したらラジエーターにその水を入れて冷やしたりしていました。

 

 

AAのお世話にもずいぶんなりました。2年ほど乗ったのですが最後には故障があまりにも多くなり、最終的には廃車にしました。当時はケルティックタイガーの前で私のも含めておんぼろな車がいっぱい走っていたのですが、政府の主導でスクラップ・スキームというのをやって、車の買い替えを促進したんですね。スクラップ・スキームでは、2年以上保有した10年落ち以上の車を廃車にして新車を買うと1500ポンドだかもらえるというものでした。私もこれを利用して買ったのが次の車。フィアットのブラーヴァです。

 



この頃、会社を初めてちょっとお金に余裕ができたので新車を買ったのですね。値段は15000ポンドぐらいだった気がします。ブランチャーズタウンのトラクタモーターズというところで買いました。

 

この車には正直あんまり思い出がないんですよ。買った当初から調子が悪くて、あんまりエンジンが回らないんです。たぶん初期不良だったと思う。会社の近くにあったボールブブリッジの個人経営のガレージにいつも見てもらってたんだけど、そこは老夫婦が経営してて、たぶんお二人とも70歳を超えていたと思う。それで、事務を担当してた奥さんの方が、これは初期不良に違いないということでわざわざトラクタモーターズの方に電話してくれたんだけど、どうにもならなかった。この頃はまだ個人経営の修理工場では車のことをSheと言ってましたね。

 

さて、次に買ったのがベンツのC200。2002年のことです。値段は43000ユーロぐらいだったと思います。セルティック・タイガーの真っただ中で、会社の調子もよかったので、40歳の記念にということで買ったのでした。まあいま考えるとこんな贅沢はしなくてもよかったかなという気も正直します。でもいい車でしたね。私は色が気に入りました。アラゴナイト・ブルーという色で、この色を指定したので3か月ぐらい待ったのかな。南アフリカ製です。

 

 

私はいつもジーンズでみすぼらしい恰好をしてたんですけど、そういう恰好でベンツとかを運転しているとハックニーかと思われるんですよ。ハックニーというのはタクシーみたいなものなんですけど、上にタクシーのランプとかはついていないのです。道で拾うことはできずに予約のみ。今はもうなくなったと思う。

 

それで、仕事の帰りに午前0時ごろバゴット・ストリートのスパーによってお菓子を買ってたんですが、そのスパーはタクシーの運転手さんのたまり場でもあったんです。それで、ある若い男の人が私をハックニーの運転手だと思って、家まで送ってくれといってきたんです。いや私は違うんだと言ったんですが、5ユーロあげるから、といわれて私も引き受けちゃいました。当時はタクシーもつかまりにくかったですしね。ブラックロックあたりまで送っていきました。

 

私はこのベンツをずっと乗り続けようと考えていたんですけど、思いがけず廃車にせざるをえなくなりました。アパートの地下の駐車場に停めてたんですけど、駐車場が放火されて丸焦げになってしまったんですね。2008年のことです。保険会社は廃車にするか修理するか迷ったようですが、最終的に廃車ということになりました。外は黒焦げでしたが、エンジンはかかってちゃんと走ったんですよ。

 

 

放火犯は結局捕まりました。私もぼやけた防犯カメラの写真を見せられて警察に話を聞かれたりしたんですが、あの写真でよく捕まえたなと思います。当時、駐車場に金色 (私には黄土色に見えましたが) のBMWがいつも停まっていて、その車がヤクの売人の車だったらしいのです。その売人が金を払わなかったということで見せしめに車に火をつけられ、私の車を巻き添えを食った。これが私が管理会社から聞いたオフィシャル・ストーリー。

 

というのは、隣に住んでいたショーンさんという人とときどき話をする仲だったのですが、彼によると真相は違うらしい。放火のある半年ほど前に1階の店舗エリアにスパーが入ったんです。ところがこのスパーにあんまり客が入っていなかった。それで、オーナーが悪い人に頼んで放火してもらって保険金をせしめた。これがショーンさんのストーリー。たしかに燃えたのが売人の車だけでなく、店舗の下に位置する広範囲のエリアが焼けて20台くらいが巻き添えになったんですよ。スパーは廃業して今もその店舗エリアは空いたままです。ショーンさんがこの話をどこから聞いたのかはわかりません。だからまあ、管理会社のストーリーの方が真相なんでしょう。たぶん。

 

さて、この火事のせいで駐車場がしばらく使えなかったのですね。それで1年ほど車なしで過ごしたあと、日産ノートを1年落ちの中古で買いました。11000ユーロぐらい。保険金で賄うことができました。保険金はもうちょっと交渉すればもう少しもらえたかな、と今になると思います。

 

 

この車を今も乗っているのですが、もう13年目にもかかわらず元気に走ってくれます。この車を買ってからはずっと家で仕事をしているので、あんまり乗る機会がないのですよね。去年、写真を撮りに行っていたころはよく乗りましたが、それ以外は月に2~3回乗るかどうか。でもやっぱりあると便利です。

 

しっかり走っているので今のところ買い替えるつもりもありません。もしかしたらこの車が私の最後の車ということになるのかもしれません。

 

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