たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

チッパーズ

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「Chippers」っていうドキュメンタリー映画をDVDで見ました。Chipperっていうのはフィッシュ&チップスやハンバーガーなどを売ってる個人経営のテイクアウェイショップのことです。ダブリンのチッパー屋さんはほぼすべてがイタリア系の名前ですから、イタリア移民の人たちがやっているんだろうなということは見当がついていました。しかし、4,000 人にも及ぶそのコミュニティーが全員、カサラッティコ (Casalattico) っていう小さな村の出自だというのにはおどろきました。いや、まじで「全員」って DVD の説明に書いてあるんですよ。「All」って。

この映画は、そのうちの 5 つの家族に焦点を当てて、その歴史や、故郷とのつながり、ダブリンでの暮らしぶりなどをつづったものです。この小さなコミュニティーが前世紀のはじめ頃から長い間維持されてきたのは、忙しくて仕事ばかりしていたのでアイリッシュと社交的に知りあう機会がなかったのと、やはりイタリア人はイタリア人と結婚しないとという気風があったからだとか。インタビューされる人みんなが労働時間が長かったって言うし、ある家族のおっかっさんなんか1日15時間働いてたって言ってました。1日15時間働かされるんじゃあ、お嫁さんは来てくれんわなー。イタリア人は怠け者っていうステレオタイプなイメージは改めた方がいいですぞ。

これは前にアイルランドの Quiz Millionaire で出題されたんだけど、ダブリンでは俗語でフィッシュ&チップスのことを「One and One」っていうそうです。これは、お店の人が英語があんまりできなかったので、「フィッシュとチップス、ひとつずつね」という意味で、指さしながら「One and One」と言ったのが始まりだそうです。実際にそんな風に言っているのを聞いたことはありませんけど。

ダブリンのテイカウェイで「Macari’s」っていう店がやけに多いんだけど、これでやっと謎が解けた。日本もそうだけど、田舎って同じ苗字の人が固まって住んでるんだよね。Casalatticoはたぶん Macari さんがいっぱい住んでるところなんでしょう。

あと、ダブリンに多いのは Sam’s Barber (サムの散髪屋さん) なんだけど、これも謎です。Quay 沿いにもあるし、Bolton St. にもあるし、Blanchardstown にもあります。サムっていうのはどう考えても苗字じゃなくて下の名前でしょう。なのに、なんでこれほど多いのか。もしかして、日本の歌舞伎役者さんみたいに三代目中村サムみたいに代々受け継がれているのだろうか。まあ、こちらの人は親子で同じ名前というのも多いから、その関係なんでしょうか。でも、アイルランド人でサムっていう名前の人は少ないですよね。実際に会ったことはないです。だから、これもどこかからの移民の一族がダブリンの理容業界を牛耳っているのかもしれません。

また、葬儀屋さんの名前も同じようなのが多いなと思った記憶があるのですが、実際どんな名前だったか今思い出せません。ゴールデンページ (職業別電話帳) で調べればすぐにわかると思うんだけど、でも葬儀屋さんの名前は脳みその中の薄暗い場所に閉じ込めたままにしておこうと思います。