たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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ロスコモン・カウンティ博物館 ~ フィル・ライノットのヴァンがぶつけた郵便ポスト

ロスコモン・カウンティ博物館はツーリスト・オフィスと一緒にスクエアのそばのかつては長老派の教会だった建物に入っています。その建物というのが下の写真。キリスト教の教会だというのに入口の上に大きな六芒星があしらわれています。これは、この教会を建てるときにウェールズから石工を呼んだからだそうです。ウェールズ守護聖人が聖デイビッドなんですね。六芒星ダビデの星ともいわれ、ユダヤ教のシンボルとなっていますが、ユダヤ教が教義の上からこの図形を神聖なものとして見ているというような事実はないそうです。ユダヤ人を表わす記号として定着したのも17世紀以降とのこと。

 


建物に入るとそこはツーリスト・インフォメーションになっていて、その奥が博物館になっています。60代とおぼしき女性がワンオペで両方の施設を管理しておられます。室内は昭和からタイムスリップしてきたようなレトロな雰囲気が漂っています。

 

博物館の入場料は2ユーロ。まず私の目についたのはこちらの六角柱の郵便ポスト。これは郵便制度ができた初期のころのポストです。ビクトリア女王の頃ですね。正面中央あたりに V と R の字を重ねたモノグラムがありますが、これは Victoria と Regina の頭文字をとったもの。Reginaラテン語で女王の意味です (男性の王は Rex)。J.W.ペンフォールドさんの名前からペンフォールド型と呼ばれます。この型の郵便ポストが作られたのは1866年から1879年までです。もともとは赤く塗られていたわけですが、アイルランド独立後に緑に塗り替えられました。ブレイ (ウィックロー県)、ニューロス (ウェックスフォード県)、スキバリーン (コーク県) では同型のポストが今でも現役で活躍しています。

 

この郵便ポストには投函口の左側に大きなヒビが入っています。係の女性の方が雑談風にいろいろ説明してくれたんですが、これは、シン・リジーのフィル・ライノットがコンサートのためにロスコモンの町にきたとき、機材を積んだヴァンがこのポストに衝突してできたヒビだそうです。運転していたのはフィル・ライノットではなく彼のローディーです。この話は都市伝説的なものかと思ったので失礼ながら確認したのですが、本当の話だと係の女性は力説していました。ちなみに係の女性はは実際にこのコンサートを観に行ったそうです。

 

次はシーラ・ナ・ギグ (Sheela na Gig) です。キャヴァン・カウンティ博物館にもありましたが、こちらはロスコモン・タウンの南10kmぐらいのところにあるラハラ (Rahara) という村の古い教会で見つかったものです。墓地にうつ伏せの形で埋まっていたため保存状態はかなり良いです。元々は教会の入り口のドアの上にはめ込まれていたのではないかと考えられています。上半身の周りにケルト風の結び紐模様が描かれているのが特徴です。ブリテン諸島のさまざまな場所で発見されたシーラ・ナ・ギグを図解したポスターもおもしろかったです。



こちらは洗礼盤。ここに水をためておいて洗礼に使うというわけです。もともとは3方向に顔があったらしいのですが、今は1つしか残っていません。これもラハラの教会で見つかったもの。中世のものです。

 

このほかにも戦争関係、19世紀の婚礼衣装、私の好きなレトロ看板などがところせましと展示されていました。

 

係の女性に珍しい郵便ポストが近くにあると教えてもらったので、明日はその話を書きます。

 

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