たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

「Alien」は外国人という意味です

かなり前ですけど、日本に来た外国人の方が、空港のイミグレーションで、外国パスポート保持者のゲートに「Alien」と書いてあったということでちょっと騒ぎになったことがあったんですね。

 

ネットで調べてもあまり情報が出てこないので改めて書いとこうと思って書いてるわけですが、「Alien」いう語は「外国人」を表す単語として、英語圏の国で普通に使われてきた法律/行政用語です。

 

アイルランドでも、外国人のビザの申請などを取り扱うオフィスは、少なくとも 90 年代後半までは、公式に Alien‘s Officeと呼ばれていました。米国では今でもグリーンカード保持者のことを法律的には Resident Alien と呼びます。

 

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オックスフォード辞書でも、Alien の項を引くと最初に示される意味は、形容詞では「外国の」、名詞では「外国人」です。「エイリアン」というと一般的に「異星人」の意味と思われるようになったのは、同名の映画のヒット以降と思われます。

 

英語で生活してても日常の会話で外国人を「Alien」と呼ぶことはまずありませんので、ネイティブスピーカーでも法律/行政の世界では「Alien」が使われていることを知らない人もいるわけです。

 

まあ、言葉というのは時代によって変わっていくものですから、人が不快に思う言葉は避けられるということはあるでしょう。アイルランドの Alien’s Officeが名前を変えたのも、そうしたことが一つの原因になったのかもしれません。

 

ただ、ここで注意したいのは、人が不快に思うから使わないようにしましょうというのは礼儀の話であって、「Alien」という語 (ついでに言うと「外人」という語も) が差別語だということではありません。

 

あと、余談ですけど、アイルランドで新聞なんかを読んでるときに、外国人の意味で「Non national」という語がよく使われてたんですね。私、この語は英語圏で広く使われてる言葉だと最近まで思ってたんですけど、これはアイルランドだけなんだって。

 

アイルランドの移民関連の法律に「Non national」という語が使われて、メディアなどでも使われるようになったらしい。イギリスやアメリカでは使わないそうです。

 

「Non (Irish) National」(アイルランド国民じゃない人)の意味だそうですが、「国籍のない人」のようにも取れるという批判があって、そういえば最近、この言葉見てない気もするのですが、使われなくなったのかな。どうだろう。