近所にいきなり巨大ロボが出現しました。
ちょっと遠目だとこんな感じ。
これ、ほんとにウチの近所なんですが、工場だか倉庫だかがずっと空き家になってたんですね。たぶん、バブルの時代にデベロッパーが購入して、バブルがはじけてデベロッパーが破産して、国の債権処理機構みたいなところが差し押さえて、空家のまま、そのままになっていたと。
そこに、スクワッターが入り込んで暮らしていたわけです。スクワッター (Squatter) っていうのは平たく言えば不法占拠者なわけですが、ヨーロッパだとそれが社会運動のひとつになってるんですね。
Wikipedia から引用します。
「ヨーロッパを中心に若者や社会運動家が既存の空き家を不法占拠する例もある。大都市などでは、古いデパートや工場などの建築や住宅街が地域の衰退によって空き家となったり、あるいは富裕層が投機目的のために都心の住宅を住まないまま保有するといったことがある。
これに対し、移民や貧困層、彼らを支援する社会運動家、あるいは金のないミュージシャンや若い芸術家など住む場所に困る人々が、こうした使われていない廃墟や遊休資産を不法占拠し、低所得層のための社会教育センターや芸術家村などに改装して立退きを拒む例もある」
うちの近所のこれはまさしくこれですね。昔の言葉でいえば、ヒッピーみたいな人。
それで、数週間前に、警察に踏み込まれたらしいんです。それで、巨大ロボを抵抗のシンボルとして建てたんじゃないでしょうか。やっぱりというか、芸術的な素養のある人もいるんでしょう。
上の写真の掲示板には、スクワッターの主張がいろいろ書いてあっておもしろかった。警察に踏み込まれる前まではほんとにその辺の空き家だったのでまったく知らなかったんだけど、数年前から 30 人くらいが暮らしているらしくて、ダブリン最大のスクワッター サイトだそうです。警察に踏み込まれたとき、ヘリも飛んできていて、ヘリには熱探知機が積んであって、どうも警察はマリファナを栽培してると思ったみたい (マリファナの栽培はものすごい熱量が必要)。バイオマスで自家発電してたのを間違われたらしいんだけど。
いまのところ、まだスクワッターの人たちはここに住んでいる。こっちの人は割とこういうのにも寛容で、掲示板によると割と社会的な地位のある人も支持を表明しているらしいです (ダブリン市長とか)。