たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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50 年前の東京五輪に出場したアイルランド選手 (1/2)

1964 年の東京五輪から 50 年ということで、この大会に出場したアイルランド人陸上選手のインタビューがアイリッシュ・タイムズに載っていました。おもしろかったので一部ご紹介します。

 

ジム・ホーガン選手 (マラソン、10000m)
私は東京オリンピックのときは物心ついてなかったのですが、このときのマラソン・レースにについてはすべて知っているような気になっていました。エチオピアアベベ選手が優勝し、ゴール直前で抜かれて 3 位になった円谷選手はその後しばらくして自ら命を絶ったのでした。

 

イメージ 1

 

アベベが折返点を回るところの写真です。「折返点」の「点」の字が時代を感じさせます。写真の右側、アベベから 20 メートルほど遅れて 2 位に付けている選手は緑のシャツを着ています。彼がアイルランドのジム・ホーガン選手です。

 

折返点では 2 位だったのですが、ホーガンはレース後半で棄権してしまいます。脱水症状に陥ってしまったのだそうです。もちろん給水所はあったのですが、彼はレース中に一度も水分を補給しなかったのです。というか、水分を補給しなければいけないことを誰も教えてくれなかったのです。彼にとってこれが初マラソンでした。

 

アベベはその 5 年後くらいに交通事故に遭って、下半身不随になります。リハビリのためにロンドン郊外の病院で 8 か月過ごしたのですが、そのときイギリスに住んでいたホーガンは何回かお見舞いに訪れました。アベベは彼のことを覚えていたそうです。

 

東京五輪の後、何を思ったのか詳しくは書かれていませんが、彼はイギリス代表に転向し、1968 年のメキシコ五輪にもイギリスのシャツを着て出場しました。それについて後悔はないとのこと。

 

今は故郷のリムリックで暮らしています。81 歳になった今はもう走ることはないそうです。