たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

100 の罵り言葉で綴るアイルランドの歴史 (中篇)

 
45. Latchico
「のろま」ぐらいの意味? いろんなニュアンスがあるみたいだけど。.
 
46. Thooleramawn (c. Myles na gCopaleen).
「ばか」。アイルランド語
 
47. Turnip-snagger (ditto).
「田舎者」
 
48. A streptococcus-ridden gang of natural gobdaws (ditto again).
アイルランドの文筆家、フラン・オブライエンが彼自身の読者に投げつけた罵り言葉。全文は「you smug, self-righteous swine, self-opinionated sod-minded suet-brained ham-faced mealy-mouthed streptococcus-ridden gang of natural gobdaws
 
49. Skanger.
これもダブリンの言葉。43 Gurrier に近い意味だけど、こっちの方がたぶん新しくて良く使う。
 
50. All to one side, like the town of Fermoy.
「バランスが取れていない」。ファーモイはコーク県の町の名前。ブラックウォーター川のほとりにあるんだけど、片側しか発展していないから。
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ファーモイの町 
 
51. Beef to the heels, like a Mullingar heifer.
足の太い女の人。
 
52. A bigger bollocks never put his arm through a coat.
彼より馬鹿な人はいない、という意味らしい。
 
53. He’d eat his dinner out of a drawer.
ケチな人。引き出しの中に食べ物を置いて食べてたら、人が来ても引き出し閉めればいいだけだから、分けてあげなくても済むじゃん。
 
54. He’d peel an orange in his pocket.
ケチな人。ポケットの外でみかんを剥いたら、人にも分けてあげないといけないじゃん。
 
55. He still has his Communion money.
ケチな人。ファースト・コミュニオン (初聖体拝領式) のときにお年玉みたいな感じでお金もらえるんだけど、そのときのお金をまだ貯め込んでるぞ、っていうこと。ファースト・コミュニオンは 8 歳ぐらいなので、年をとればとるほど罵りの度合いは増します。
 
56. He wouldn’t spend Christmas.
ケチな人。クリスマスにもお金使わないって。
 
57. He has a great welcome for himself.
自慢屋。
 
58. He’s running around like a dog with two mickeys.
これはわかりません。Mickeyはペニスのことだと思うのだが。
 
59. Mountainy.
田舎者
 
60. Muck-savage.
ラグビーで粗っぽいプレーばかりする選手。
 
61. They’re only a bunch of Mullockers.
Mullockerハーリングで下手な選手のことらしい。
 
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ハーリングの練習風景
 
62. A mouth on her like a skipping rope.
これはわかりません。口が大きいってこと?
 
63. He couldn’t beat nails into a bog with a saucepan.
泥炭地に鍋で釘を打つこともできない → 貧弱、または不器用。やわらかい泥炭地に底の広いお鍋を使っても釘を打てないので。
 
64. He’s as useful as tits on a bull.
オス牛の乳首ほど役に立つ → 役に立たない。オス牛はミルク出ないから。
 
65. Lundy.
17 世紀のデリー県総督 Robert Lundy が語源。ジャコバイトに包囲されたデリーで降伏を呼び掛けたことから、現在では北アイルランドユニオニストの間で「売国奴」と同義に使われる。
 
66. Croppies lie down!
ロイヤリスト視点でアイルランドの反逆者を馬鹿にする言葉。1798年のアイルランド蜂起の失敗をあざ笑うフォークソングから。
 
67. Fenian.
カソリック系住民に対する軽蔑語。スコットランドでレンジャーズのファンがセルティックのファンを馬鹿にしてこう呼んでいる。
 
68. Kick the Pope.
これはプロテスタントカソリックを馬鹿にして言う言葉だと思う。
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Father Tedから
 
69. Black Orange Bastard.
北アイルランドBlack Bastardというとロイヤリストに対する侮蔑語。ロイヤリストの協会であるRoyal Black Institutionから。それにダメ押しでOrangeを付けている(オレンジはロイヤリストの色)
 
70. The Government of Éire.
アイルランド政府のことなのだが、これがどういう文脈で罵り言葉になるのかわからない。
 
71. The dreary steeples of Fermanagh and Tyrone.
ウィンストン・チャーチルの言葉。1922年。ファーマナ県とタイローン県の陰気な尖塔。世界大戦という大洪水でほとんどすべてのものが変わったのに、水が引くと、やっぱりあの陰気な尖塔が顔を表す。ファーマナ県とタイローン県はともに北アイルランド北アイルランドの紛争だけは変わらない、ということだと思うんだけど。
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72. Bandit Country.
「盗賊の国」。北アイルランド紛争の頃、アーマー州南部とファーマナ県は南とのボーダーに近いし、カソリック系が多く住んでいたので、実質上イギリスの統治が及ばす、狙撃事件、爆弾事件が多かった。イギリスのメディアがこの地域につけたあだ名がこれ。
 
73. A failed political entity.
失敗した政治的実体。北アイルランドのこと。1988年に出版された本のタイトル。アイルランド側の視点で軽蔑語として使う。たぶん。
 
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