たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ダブリンのひとり秋葉原

景気の悪い話ですみませんけど、Peats っていうダブリンの電気製品ショップが倒産しました。

 

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私がアイルランドに来た頃、電気製品を買おうと思ってお店屋さんに言って、そこにその商品がないと、「Peats に行けばあるんじゃないの?」とよく言われました。アイルランドでは、お店に商品がないと普通に他のお店を紹介してくれてたので。

 

私も実際に何かの部品だったと思うんだけど、パーネル・ストリートにあった Peats に買いに行ったことがあります。その頃はビルの 3 つの階ぐらい使って商売してたんだけど、部品を売ってる階に言ってカウンターで商品を頼むと、後ろの棚から出してきてくれました。その雰囲気が秋葉原の怪しい部品屋さんみたいだったし、変な品物がいっぱい揃っていたので、私は Peats のことを「ダブリンのひとり秋葉原」と呼んでいました。

 

それで、10 年ぐらい前になるかな、ちょっとお店の方向性を変えて、小奇麗な店構えにして、高級品志向のチェーン店に転換したんですね。たとえば、コンピューターだとソニーのバイオを売ってるとか、そういう品ぞろえです。私はそのとき、これは結構大きな勝負に出たなーと思いました。安売り系のチェーン店はいくつもあるし、オンライン・ショッピングが盛んになっていくであろうことは、当時でもさんざん言われてましたから。

 

2007 年のピーク時に比べると、去年の売上は半分にまで落ち込んだそうです。こういう商売って、11月から1月までで年間の売上の60%を売り上げるそうなんだけど (クリスマス商戦がでかい)、客足の落ちるこの夏は乗り切れないだろうということで、ダブリン市内・近郊で展開していた11店舗を閉じることにしたそうです。

 

ダブリンには Sony Center っていうソニーの商品だけを扱ってるお店が何軒かあったんだけど、これも Peats の経営だったらしくて、ジャービスSSのお店ももぬけの殻になっていた。

 

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Peats は Peat さん一家が経営するお店で、1934 年にパーネル・ストリートで開業 (昔は今の Peats の向かい、FAS のビルのところに店舗があった)。当時は、電池、自転車、家具、ベビーカーなんかを売っていたのが、次第に電気関係に特化。キャッチフレーズは「Peats - World of Electronics」でした。

 

長年にわたって愛されたクセのある商材を扱う家族経営のお店の閉店は、ダブリンのひとつのアイコンが失われたみたいでさみしいですね。

 

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おまけですけど、昔、2000年より前だったと思うけど、グラフトン・ストリートからちょっと入ったところに「ミスター・カルキュレーター」っていう名前のガジェット屋がありました。インド人が経営してて、店の名前からしていかにもなんだけど、一間ぐらいの間口の狭い店舗でチープなガジェットをいっぱい売ってました。思い出して行ってみたら、さすがにもうやっていなかった。下の写真の右側の黒いシャッターが Mr. Calculator 跡地。左の店舗の朽ち具合もいい感じなので写真に撮りました。

 

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それから、もうひとつおまけで、今日の新聞を読んでいたら、ハーフペニー橋のたもとにある The Woolen Mills も閉店だって。ここは、セーターとかアイリッシュ・トラディショナルの衣料品とか繊維製品 (シーツとか) を売ってました。やっぱり小規模な小売の商売はどこも厳しいようですけど、こういうお店がなくなってくのはコミュニティが壊れていくことなんで、なんか策を講じたいですね。第一は店舗の家賃さげてもらうことかな。