たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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映画「ザ・コミットメンツ」を劇場で観るという

ザ・コミットメンツ (The Commitments)
1991 年 (アメリカ、イギリス、アイルランド)
監督: アラン・パーカー
原作: ロディ・ドイル

 

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映画「ザ・コミットメンツ」を劇場で観るという「至福」と書こうかとおもったんだけど、それじゃ大げさすぎるし、ということでこのタイトル。しかし、映画館に行くのにちょっとワクワクしたのも事実。村上春樹さん風にいう「小確幸」(小さくて確かな幸せ) か。

 

アイルランドは二番館や三番館はないので、旧作を劇場で観る機会はめったにありません。と思ったんですけど、DVD が気軽に借りられるようになったから、日本でも二番館とかはもうなくなったんでしたっけ?

 

まあとにかく、先週末がセント・パトリックス・デーだったこともあるのか、近くのライトハウスシネマで「ザ・コミットメンツ」をリバイバル上映していました。

 

私はあまり同じ映画を何回も見たりしない方なんですけど、この「コミットメンツ」だけは何度見ても面白いです。だけど、これまでテレビでしか見たことがなくて、映画館で観るのは初めてです。

 

冒頭のストリート・マーケットのシーン。ムーア・ストリートあたりがモデルになってると思うんだけど、主人公のジミーが人ごみをかき分け、物売りと言葉を交わしながら歩いていくのをカメラが追いかけます。このシーンを見るだけで、これから始まる映画が、お金はないけど元気はある、上品さなんかクソくらえ、おれたちにはおれたちのやり方でやるから、っていう人々の物語が始まるんだとわかります。

 

このシーンはたぶんちょっと誇張はあるんだろうけど、だいたい合ってる。と思います。つまり、ダブリンの雰囲気がよく出ている。前にも載せたけど、これが何十年か前のムーア・ストリートの写真。

 

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たぶんアメリカの人が見ると、え、西ヨーロッパの首都にもまだこんなスラムみたいなところがあったのか、という印象を持つのではないかと思います。私も 1990 年ごろに初めてダブリンに来て、コノリー駅に降りたときに、あまりのブリークさにそんな印象を持ちました。ただ、ダブリンの名誉のために申し添えますと、その頃も閑静な住宅街とかポッシュな商店街とかは存在してましたが。

 

マネージャー役のジミーが雑誌に広告を出してバンド・メンバーをかき集め、リハをやり、ギグをこなして、レコード会社から契約の話がきたところでメンバー全員が大喧嘩してバンドは空中分解。小気味よくストーリーは展開するし、音楽はいいし、特にダブリンの人にとってはもうこれは俺たちの物語っていうことで愛さずにはいられない映画。のはず。小奇麗になる前のスミスフィールドも何カットか登場しているのを発見しました。



おまけ。近所のコブルストーン・パブのセント・パトリックス・デイ記念グラフィティ。

 

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