たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

レインジャーズが民事再生法の適用を申請した件。

サッカーの話です。

 

スコットランドのサッカークラブのグラスゴー・レインジャーズが、お金が足りなくなって民事再生法 (みたいなもの、イギリスだと Administration) の適用を申請しました。

 

サッカー好きの人はご存じと思いますが、スコットランドの二大クラブはレインジャーズとセルティックです。セルティックはカソリック系なので、アイルランドにもサポーターがいっぱいいます。レインジャーズはプロテスタント系なので嫌われています。アイルランド国内でレインジャーズのユニを見たことがありません (着ている人も、お店で売ってるのも)。

 

それで、スコットランド首相 (スコットランドはある程度の自治が認められてるんですけど、スコットランド政府の一番偉い人) のアレックス・サーモンがレインジャーズの破産の危機に関して、こんなことを言ったんですね。

 

「セルティックのコアなサポーターなら理解できることだが、セルティックはレインジャーズなしには繁栄することはない。(中略) レインジャーズはスコットランドのサッカーのためにも消滅させてはいけない」

 

つまりは共存共栄みたいなことを言いたかったわけですね。ハンド・イン・ハンドみたいな。スコットランド一丸になってがんばろう、みたいな。

 

ところが、セルティックのオーナーがこれに対して声明を出しました。

 

「セルティックはレインジャーなしでも生き残れるし、繁栄できる。」

 

「スコットランド首相が、セルティックにはレインジャーズが必要だ、レインジャーズなしでは繁栄できないと述べたのは、誠に残念なことである」

 

「これは、単純に真実ではない。セルティックには、他のクラブの動向には左右されない、しっかりとした戦略とビジネスプランがある」

 

「レインジャーズがたいへんな状況になっているのは分かるが、これを政治的な理由のために誤解を招くような言い方をしてほしくない」

 

まあ、なんというか、レインジャーズなんかつぶれるんだったら、つぶれちゃってもいいんだよ、っていうことで、これはおそらくほとんどのセルティックファンの気持ちを代弁していると思います。

 

アイルランドにおけるアンチ・レインジャーズ感情はたいへんなものがあるわけですが、10年以上になりますけど、こんなことがありました。

 

デンマークだったかスウェーデンだったかが、サッカーの親善試合でアイルランドに来ました。その頃、その国のリクセンっていう選手がレインジャーズに所属していました。

 

それで、リクセン選手が先発したので、アイルランドの観衆は彼がボールに触るたびにブーイングしました。

 

そしたら、実はもう一人リクセンっていう選手がいて、この選手が後半になって出てきた。ここに来て初めて、レインジャーズでプレイしているのは後から出てきたリクセンだということがわかったんですね。

 

それで、アイルランドの観衆は、交代で出てきたリクセンBがボールに触るたびにブーイングするとともに、先発したリクセンAに対しては、ボールタッチのたびに盛大な拍手を送ったそうです。

 

試合前の選手紹介でスタジアムMCが間違えて紹介したかららしいですが、アイルランドのサッカーファンの寛大さを示す、心温まるエピソードですねw

 

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