生まれて初めて月島に行き、生まれて初めてもんじゃ焼きと海ブドウを食べました。一緒に行ったウミガメさんに「ロストバージンですね」と言われましたが、これほどおっさんに似合わない言葉もありません。
もんじゃ焼きロードは200mもあろうかという通りなんですけど、両脇がもんじゃ焼き屋さんだらけ、路地にもあふれ出しています。同じジャンルの食べ物屋さんがこんなに集積しているのを見るのは圧巻です。
ウミガメさんの仕切りでつくしやっていう店に行ったんですが、このお店はもんじゃ焼きロードの奥の方にあります。今回の発案者でもうひとりのメンバーであるちーさんは、途中でメロンパンの匂いにひっかかってしまい、1 個平らげてしまったそうです。
もんじゃ焼きのことを特に見た目で悪くいう人もいますけど、おいしかったです。味付けは関東だからかお好み焼きなどよりはちょっと濃いですけど、しつこいというほどではありません。粉モノの中でも触感が極端に柔らかいのが特色ですが、その中に明太子やアサリ、モチなどさまざまなトッピングを入れて、プチプチ感、コリコリ感、モッチリ感などが絡んでくるのがおもしろいです。
食卓を囲んだメンバー全員が、端っこの方からちっちゃいヘラで一口サイズに削り取りながら食べていくわけですけど、その作業は食事が単に栄養を摂るだけではなく、みんなが時間と場を共有して交流する行為なのだということがあらためて教えてくれます。いやまあ、みんなで食べると楽しいっていう意味ですけど。実際に家族連れの方も多くて、自分たちで焼いて仲良く食べていました。
私たちのテーブルの話題をさらったのは、ちーさんお勧めの「レキシ」というバンドなのですが、これはまた別の機会に書きます。
3 人で 4 枚を平らげた後、近くに住んでいるjunkyさんを呼び出し、男2人、女2人で月島温泉へ向かいます。ここは名前は温泉ですが昔ながらの銭湯です。大きなお風呂に入るのはやっぱり気持ちいいですね。ぜいたくにお湯を使って、もんじゃの匂いを洗い落します。
私はけっこうカラスの行水派なので、早めに出て待合室のテレビで「初めてのおつかい」を楽しみました。女性陣は湯船で知らないおばちゃんと仲良くお話していたそうです。
それから風呂上がりにはやっぱり一杯ということで、看板にさそわれてもんじゃ焼きロードをちょっと外れたところにあるBar Sodaというところに行きました。ここは洋風立ち飲みバーです。
そしたらギネスが置いてありました。
アイルランドで知り合った仲間たちなので、とりあえず一杯目は全員ギネスです。一見タップのように見えるものが置いてあったので (上の写真の左)、ドラフトで入れてくれるのかなと思ったのですが、若いマスターは缶を開けてグラスに注いでいます。この時点では泡があまり立ってないのですが、マスターが「タップのように見えるもの」の裏にグラスを 10 秒ほど置くと、ギネスの泡が出現するのです。見せてもらうと、丸い金属製のコースターみたいなのがあって、その上にグラスを載せるんですね。
一般に売られている缶ギネスは中に仕掛けがしてあって、蓋をあけると窒素がビール内に自動的に注入されるようになっています。ところが、ここで出しているギネスは業務用で、それ自体では泡が出ず、「タップのように見えるもの」を使うことが前提になっているそうです。仕組みはよくわかりませんが、マスターに缶を見せてもらったら、確かに「業務用」と書いてありました。
このバーは、いい音楽が聴けることも売りらしくて、マスターが DJ もやってくれます。DJ といっても、今はパソコンで全部できちゃうんですね。私たちがアイルランドの話をしていたらポーグスを掛けてくれたり、あと夏木マリが凄かったんですけど、これも別の機会に。