2011年3月11日の東北地方太平洋沖地震で亡くなられた方のご冥福をお祈りし、被災された皆様に心からお見舞いを申し上げます。また、一日も早い復旧を心から願っております。
アイルランドは日本から9時間遅れなんですけど、地震のあった金曜日、私は仕事がなかったのでちょっと遅くまで寝ていました。そしたら、誰か知らない人から携帯にメッセージが入ってきて、「仙台で大きい地震あったけど大丈夫?」と。日本人である私は、ある意味、地震慣れしてるので、この時点ではそんなに大ごとになるとは思っていなかった。
そしたら、電話が鳴ったんで、寝ぼけた声で出たら、お客さんからで、「家族や友人は大丈夫か?」と。その時点ではネットもテレビもまだ見てなかったんだけど、「仙台」っていうのはわかってたから、「家族は震源地から遠いところに住んでるから大丈夫」ととりあえずあてずっぽで答えました(実家は四国です)。
そのお客さんは、急な仕事を一個ふってくれたんだけど、地震関連で日本の仕事を私に振らないといけないかもしれないからよろしくね、とのことだった。声もけっこう切迫していたので、どんなんやねん、と思ってテレビつけたら大ごとになっていました。
スカイニュースは他のニュースをほとんどやらずに、地震の話題をずっとやってました。あとは、ネットのUstream っていうところで NHK の放送をずっと見てました。
いろんなニュース映像が流れて、ひとつ思い知らされたのは、津波の威力はこんなに凄いのかということ。瀬戸内海沿いとはいえ海辺の町に住んでたからか、母方が漁師の家系からかはしりませんが、私も津波の話はよく聞いてたんだけど、目の当たりにするまでこんなに恐ろしいものだとは思いもよらなかった。
それから、もうひとつ思ったのは、日本の社会というのは、まあたぶんどこの社会でもそうなのかもしれないけど、たくさんの普通の人の力で成り立っているということ。
もちろん被災者の救済にがんばっておられる自衛隊や消防の方、福島の原発で事態の鎮静化にあたっておられる方はもちろんのことなんだけど、保育園の子供たちをボートで救出するニュース映像が流れていた。子供が20人ぐらいボートに乗っていて、仕事着である割烹着みたいなのを着た保育士さんが子供を1人抱いてその中に立っていた。救助の人がボートを岸に付けようとしてたんだけど、そこに報道の人がいて、保育士さんに「大丈夫ですか」みたいに声をかけた。そしたら保育士さんが、「大丈夫ですよ」みたいに頷きながらニッコリ微笑んだんだけど、あの自信にあふれた落ち着いた笑顔を見たら、子供たちだけじゃなく周りの人みんなが安心するでしょう。こういう人が日本を支えてるんだと思った。この映像がいまのところ私の心のベストテン第一位です。
あと、官房長官の枝野さんは八面六臂の大活躍ですね。枝野さんがしゃべるのを初めて聞いたんだけど、この人は自分のペースでしゃべるんじゃなくて、聞いてる人が聞きやすい速度で淀まずにしゃべれる。えー、とか、あー、とかもほとんど言わない。国民にちゃんと説明しようとする姿勢がみえるのがいいです。自民党だと石破さんがよかった。まあ、政治家が説明しようとする姿勢があるだけで褒められるってのもアレなんですけど。
あとは、サンドウィッチマンかなー。ブログに書いたことが訳されて英紙の一面になったりしたけど、出身が仙台で、地震発生時に気仙沼にいたこともあってか、真面目に被災者の心のケアに取り組んでる。日本の芸人さんにとっては、こういう「いい人」の部分を見せることは人気が落ちるからタブーだったはずなんだけど、そんなタブーなんか関係ないよっていうところがいいです。