たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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アジアカップ優勝、おれたちの李忠成が決めた!

 
昨日のアジアカップ決勝戦は、パーネル・ストリートのスポーツ・パブ「Wool Shed」で観戦しました。ここはオーストラリアン・パブなので、場所としてはアウェイなんだけど、mixi で告知もあったりして、結構な人数が集まった。ホームのオーストラリア人より多かったんじゃないかな。
 
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とてもタフな試合だったけど、我慢に我慢を重ねて2大会ぶり4度目のアジア大陸チャンピオンになりました。選手、スタッフのみなさん、おつかれさまでした。
 
Wool Shed」で凄かったのは、別のチャンネルでは次の放映予定のFAカップ「マンチェスターU対サザンプトン」が始まってたのに、表彰式をメインの大画面で最後まで映してくれたことです。見た人はわかると思うけど、表彰式の進行がずいぶんゆっくりしてて時間がかかったんだけど最後まで。パブのマネージャーはオーストラリア人がアイルランド人かわかりませんけど、感謝します。日本の地上波はセレモニーの部分を放映しなかったらしいんだけど、そこまでちゃんと放送してほしいですね。こういう大会で優勝することが、選手たちにとっても私たちにとってもどんなに凄いことかなのかということを考えると。
 
決勝点を決めたのは李忠成選手。李選手は韓国籍の在日四世として日本で生まれて、実際に韓国のオリンピックチーム (U23) のキャンプにも参加したんだけど、最終的には韓国のオリンピック代表には選ばれなかった。また、チームメートとの間でもあんまりおもしろくなかったことがあったみたい。その辺のことは、このインタビューで彼自身が語っている。(韓国の番組だけど李選手自身は日本語で話しています)
 
もちろん、在日韓国人として日本で暮らしていて、こういう面白くないことがまったく起こらなかったとは思わないんだけど、いろんな葛藤を乗り越えて彼は日本国籍を取得することを決め、日本代表になってアジアカップの決勝戦でドンピシャのボレーで点を取り、日本の優勝にものすごい貢献をした。
 
李選手はたまたま代表レベルのサッカー選手であったため、若くして自分のアイデンティティを選択する必要に迫られた。この点において彼はラッキーだったと私は言い切ってしまいたい。そのへんのことを大人になってもぐずぐず引きずるのがあまり幸せな年の取り方とは私には思えないから。
 
労働力としての移民をどこまでどうするかという議論に関わらず、国際交流はこれからも盛んになるだろうし、国際結婚はこれから増えていくだろうから、日本で生まれ育って、知りうる限りの先祖も日本人ということではない日本人も増えてくるでしょう。そういう人たちが日本というコミュニティに積極的に参加して貢献できるようにどう動機付けていくのかっていうのは、日本のコミュニティ全体にとってとても重要になってくると思う。それは別にそれが道徳的にいいことだからというわけではなくて、いやまあそういうことでもあるんだけど、その方が豊かな社会が作れて (物質的にも精神的にも)、みんなが気持ちよく暮らせるという実際的な意味においてです。
 
李選手のゴールパフォーマンスは、もちろんサルのものまねなんかではなくて、弓矢を引くポーズだった。これは、所属するサンフィレッチェ広島への愛を表したものらしい。「サンフィレッチェ」っていうのは三本の矢という意味で、例の毛利元就の逸話に由来するものだからです。
 
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(photo by Yoppy)