たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

今年のクリスマス・チャート No. 1 は?

イギリスもそうなんですけど、クリスマスの週にどの曲がヒットチャートの 1 位を獲得するかっていうのがこっちでは結構話題になります。
 
今年の本命は、「X ファクター」(イギリスのタレントショー) で優勝したマット・カードル君のシングルだと思うんですが、アイルランドではここに来て強力な対抗馬が登場しました。Rubberbandits っていう名前のコメディー・ヒップ・ホップの二人組です。
 
活動歴は長いんだけど、『Republic of Telly』っていうおもしろおかしく過去一週間の TV 番組を批評するっていう番組にレギュラー出演しはじめて、最近、一般の人の知るところとなった。
 
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写真見ていただければわかるように、いつもスーパーのビニール袋を頭にかぶって素顔を隠しています。盗賊 (bandits) ですから。出身はアイルランド西岸のリムリックっていうとこなんだけど、この街はあんまりいいイメージがないんです。ギャングの抗争がひどくて、それから Stab City なんていうニックネームもあります。うかうかしてるとナイフで刺される (stabbed) からです。たまにらしいですけど。
 
Rubberbandits は、そういう冴えない地方都市で懸命に虚勢を張ってるヤンキー君たちの生きざまを私たちに見せてくれます。格好つけてるんだけど、それはどうみてもスベってるだろうみたいな。念のために申し添えますと、彼ら (のカリカチュアの対象となっている人たち、つまり本物のヤンキー君) を笑うことによって疎外しようとしているわけではありません。Rubberbandits がやっているのは、彼らを笑いの対象とすることで彼らをリアルな人間として意識し、身近な存在として感じてもらうという包摂の作業です。これ、マジですから。その辺のさじ加減を間違えると感じ悪くなります。
 
そんな彼らが新曲『Horse Outside』を今月初めに iTune でリリースしました。発売当日に『Republic of Telly』でもビデオクリップを流したんですが、それが Youtube にアップされ、一週間で 100万ビューを突破。現時点 (12/21) では 300 万を超えています。
 
いちおう歌の内容を説明しますと、設定自体はよくあるもので、友だちの結婚式に行ってブライドメイド (新婦の付添人) のひとりをナンパするという話です。で、ライバルが何人かいて、彼らは車に彼女を乗っけようと待ち構えているわけですが、そこで Rubberbandits が颯爽と現れて「お嬢さん、おれの馬が外で待ってるぜ」と決めセリフを吐くのです。
 
ビデオクリップは田舎の結婚式のたるーい雰囲気が出ていますし、それからさすがにダブリンでは最近見かけませんけど、リムリックあたりはまだ野良馬いるかもしれないなーと思わせる説得力もあります。
 
あと、ライバルたちはやっぱり田舎の Boy Racer (走り屋) なので、乗ってる車が全部日本車なんです。アメリカ映画の「THE FAST AND THE FURIOUS」でも日本車フィーチャーされてましたけど、あんな感じですね。
 
サビはこんな感じになります
 
F*ck your Honda Civic (おまえの Honda Civic なんかクソくらえ)
I have a horse outside (おれの馬が外で待ってるぜ)
F*ck your Subaru (おまえの Subaru なんかクソくらえ)
I have a horse outside (おれの馬が外で待ってるぜ)
F*ck your Mitsubishi (おまえの Mitsubishi なんかクソくらえ)
I have a horse outside (おれの馬が外で待ってるぜ)
 
この曲のテーマは、機械文明へのアンチテーゼとか、エコ・フレンドリーな社会に向けての提言とか、そういうことではなくて、かわいい女の子がいたら馬の背中に乗っけてマリンガーあたりまで遠乗りしたいよね、ということだと思います。説明するまでもないですか。
 
しかし、何回も聞いているとこのサビの部分が頭にこびりついて離れなくなります。すみません。お待たせしました。それでは Rubberbandits さんで、『Horse Outside』です。どうぞ。