たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

国立能楽堂

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水曜日、国立能楽堂に能を見に行きました。国立能楽堂は千駄ヶ谷にあります。学生時代は東京に住んでいましたけれど、こういう施設があることすら知りませんでした。

 

演目は

 

仕舞: 綾鼓
狂言: 咲華 (さっか: 2番目の文字はほんとは口偏に華)
能: 船弁慶

 

仕舞っていうのは、「能の主要部分を地謡 (コーラス) をバックに紋服で舞う」ものだそうです。4人の地謡の人々は黒の紋付、舞う人は焦げ茶の紋服で登場です。時間は10分ぐらいと短い。

 

能の一部分なので言葉の意味はわかりません。でも、飛行機の中みたいに各座席の前に小さいモニターがあり、日本語と英語訳の字幕がでます。ありがたいのですが、字幕を追うと舞台に目が行かなくなるので痛し痒し。

 

狂言は普通に楽しめました。昔の言葉で舞台は進みますが、話しぶりも明瞭で、基本的に話はわかります。ボケ役っていうんでしょうか、ちょっと頭の弱い男、太郎冠者を演じる方がかなりお年を召した方。プログラムで確認すると、野村萬さんっていう1930年生まれの狂言師さん。重要無形文化財保持者です。

 

80才近いとは思えない声の張りなんだけど、この方が小柄な体を軽快に動かして、飄々とまわりを翻弄していくんですね。場内からも自然に笑いが漏れていました。

 

能の舞台は、アイルランドで初めて見たものより登場人物も多く、舞台も専用のものでしたから、ずっと豪華に見えました。やっぱり能って一種のミュージカルなんですね。今回のお話は源平合戦を題材にしたものですが、大人のはずの義経をなぜか子役が演じます。これは、前半の主役 (前シテ) である静御前との情愛を露骨なものにしないための工夫らしい。

 

能楽の舞台って、どこもそうなのかしれませんが、四角い舞台があって、その左奥から斜め後ろに向かって長い廊下が続いています。能も狂言もこの廊下の空間をうまく使うことで、劇に奥行きを与えています。

 

仕舞と能は言葉がわからないこともあって、正直、楽しめたとはいえません。まず話の筋を頭に入れた上で、舞台の上の役者さん、地謡、楽師さんが作り上げる空間に身を浸すことができるようになって初めて、能を楽しむことができるのかもしれません。

 

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