たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

小耳に挟もう in Dublin

Overheard in Dublin (小耳に挟もう in Dublin: http://www.overheardindublin.com) っていうサイトがあるんですが、ダブリンで見たり聞いたり小耳に挟んだりした面白い話をユーザーが投稿して、それに対して他のユーザーがコメントしたり評価をつけたりっていうサイトです。

 

その中で面白いのを集めて本も出ていて、それも好評らしくて、第 3 巻が絶賛発売中。本屋さんでも平積みになったりしています。

 

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たわいもない話が満載なんですが、ダブリン特有の言い回しやアクセント、ダブリナーしか知らないようなマイナーな地名や建物、ステレオタイプの人物描写なんかが相まって、ダブリンに住んでいる人なら情景がありありと目に浮かんでニヤリとしてしまう。まあ、内輪の人にしかわからない「あるあるネタ」を共有して、共犯者の後ろめたさと部外者を疎外する優越感がないまぜになった感情を楽しむといったところでしょうか。

 

たとえば、こういうの。

 

Last week on the bus passing the old Dundrum Shopping Centre, these two skangers sitting across from me look out of the window and exclaim.
“Wouja lookit da new Dundrum Shopping Centre, bleeding state of it already.

 

(先週バスに乗っていて、古い方のダンドラム・ショッピング・センターの前を通りがかったとき、通路を挟んだ向こう側にすわっていた 2 人のヤンキーたちが窓の外を見て、こう叫んだ。
「おい、新しいダンドラム・ショッピング・センターを見ろよ。もうすでにボロボロだぞ」)

 

新しいダンドラム・ショッピング・センターっていうのはたぶんダブリンで最もモダンなショッピング・センターで、古い方のはもう笑っちゃうくらいぼろぼろなんです。その落差を知ってれば余計笑えるし、またヤンキー君たちの言い方 (Wouja lookit da… は Would you look at the… を彼らが発音するとおりにスペルアウトしたもの) も、ああ、あいつら、こういう言い方するする、みたいにバスの中の情景がリアルに浮かびあがってきます。

 

いや、ほんま、しょうもない話ばっかりなんですけどね。実際に小耳に挟んだのか、作り話なのか、検証のしようもありませんから、あんまりマジに受け取るような話でもないんですが、ダブリンにしばらく住んだことがある人なら暇つぶしにかなり楽しめると思います。でも、正直な話、どこが面白いのかまったく不明な話もあって、私もまだまだ修行が足りんと思う次第です。

 

話は変わりますが、今日の Irish Times で、映画担当記者のドナルド・クラークさんが、00 年代 (つまり、過去 10 年) の映画ベスト 20 を発表していました。日本映画では、宮崎駿の「千と千尋の神隠し」が堂々の 3 位入賞です。日本に関係するのだと、あとは「ロスト・イン・トランスレーション」が 11 位です。そうとうクセのあるベスト 20 なんですけど、フルのリストは以下のサイトでどうぞ。