たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

田植え唄

田植え唄

 

日本は農耕社会だったから、村中で協力して田植えをしたわけです。今日はだれそれさんの田んぼ、明日はなにそれさんの田んぼという形で。私も田舎の出身なので、おばさんたちが一列に並んで田植えしているのを見たことがあります。うちは農家じゃなかったので、自分でしたことはありませんけど。

 

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だけど、やっぱりいつの時代でも、そういう共同作業が苦手な人がいたわけです。そういう人は、日がな一日ひなたぼっこをしたり、歌を歌ったりして、仕事しないから嫁さんが来るはずもなく、お気楽に一生を過ごすわけだが、回りの人も、あの人はそういう人だからと、説教したりしながらも「しょうがない人」のカテゴリに入れて、温い目で見守ったりしていたのでした。

 

田植えは単調な仕事なので、みんなで田植え唄を歌ったりして気を紛らわせながら作業を進めたりしたわけですが、そうこうしているうちに、田んぼの回りで鉦や太鼓を鳴らしたり、歌を歌ったりする専門の人も出てきた。みんなが一生懸命作業している横で、「がんばれ、がんばれ」って言う係の人たちです。

 

もちろん、こういうときに水を得た魚状態になっちゃうのは、日ごろぶらぶらしてる「しょうがない人」です。いよいよ私の力が世の中の役に立つときが来た、なんてもんで張り切っちゃう。まあ、しょうがない人なんでしょうがないです。あながち、役に立ってないわけでもないし。

 

みたいな話をどこかで読んだんですが、何で読んだかは忘れてしまった。

 

話は変わりますが、日本の漫画やアニメの人気が欧米でも高まってるわけですけど、この間タワー・レコードに行ったら、「500 Manga Heroes and Villains」(500 人のマンガの英雄と悪党たち) という本があったので買ってきた。

 

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マンガの主人公や主要な脇役を百科事典的に紹介する本なのだが、「Hero (英雄)」と「Villain (悪党)」のほかに、「Antihero (アンチヒーロー)」というカテゴリがあった (実際には、これらのカテゴリが男女別に分かれてて、これら以外に、「人間じゃない主人公」(ドラえもん とか) っていうカテゴリもあります)。

 

アンチヒーローっていうのは、主人公の資質に欠ける主人公のことらしい。ルパン三世 (盗っ人) とか、バイオレンス・ジャック (暴力) とか。もちろん、現実社会で犯罪をやったらいけませんけど、現実社会でできないからこそフィクションの世界でこういう人たちが人気が高いのはわかります。

 

と考えてきてみると、世の中には端っこで世界をぐるぐるまわして流動性を高める人と、真ん中をごりごり押し固めて、より大きなダイナミズムに耐えうる軸を構築する人がいて、どちらが欠けても世の中はうまく回らない。だから、お互いがお互いを「自分とは違うタイプの人」と知らん顔したり、ばかにしたりしてると、世の中はうまく回らない。アイルランドにおいては私は移民なので、どっちにしてもはじっこの方でぐるぐるしながら流動性を高める役割の人ですね。

 

ということで、今日の結論は唐突ですが、世界中のすべてのヒーローとアンチヒーローたちに乾杯、ということで。

 

(上の写真はバングラデシュの田植えです)