たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

クロアチア

==ワールドカップ==
ワールドカップで日本と2回も戦ったから、クロアチアはサッカー・ファンにとっては他人とは思えない国です。

 

1998年のフランスW杯のときは、ナントまで試合を見に行きました。チケット発行の不手際で、ツアーを予約したのに入場券が用意されなくて観戦できなかった人も多くいた大会です。私はロンドン発の小さなツアーに参加しました。運よくチケットは確保できていたのですが、元々はクロアチア協会に割り当てられたチケットでした (偽造防止のため誰に対して発行されたものなのかチケットに明記されてあります)。

 

案の定、クロアチア応援団の中に日本人グループの島ができていて、私たちはその中で応援しました。クロアチア人の男たちは、体も大きく、西ヨーロッパの人のように無暗にスマイルしたりしないので、とっつきにくい感じはありましたが、もちろん何の混乱もなく、シュケルに一点取られて、あちゃーとか言いながら、私たちは帰途に就いたのでした。

 

実際のところ、日本戦にはクロアチアの人たちはあまり来てなかったので、私は失礼ながら、国ができたばかりでいろいろ大変だから、フランスまで見に来れないのかなーなどと思っていたのですが、クロアチアが決勝トーナメントに進んでドイツと戦うときなどは、大応援団が繰り出していました。なんだ日本戦は興味なかったのかと。日本戦もちゃんと見に来いよと。

 

2006年のドイツW杯はダブリンでテレビ観戦しました。メールやなんかで呼びかけて、テンプルバーのフィッツウイリアムス・ホテルのバーに日本人が集結しました。このパブはフロアがL字型になっていて両側にスクリーンがあるので、片方に日本人が集まり、もう一方にクロアチア人が集まり応援しました。

 

宮本がPKを取られたシーンで、後ろの方からヨシカツ (GKの川口) コールをリードしてくれた名前も知らない青年のことは忘れません。試合は引き分けに終わり、結果的には両国がお互いに決勝トーナメントに進むのを邪魔しあったという形になりました。このときも、両チームの応援団は、特にいさかいを起こすでもなく、エールを交換するでもなく、同じ時間を共有したことだけを感じながら、お互いに積極的に交わろうとすることなく別れたのでした。

 

==クロアチア旅行==
前置きが長くなってしまいましたが、ちーさんのオーガナイズでウミガメさん、タカさんとともにクロアチアに一週間旅行に行ってきました。ザグレブ、プリトヴィツェ国立公園、スプリット、そしてドゥブロヴニクを訪れました。アドリア海沿いにあるスプリットとドゥブロヴニクはとても美しい街です。ローマ帝国時代の遺跡が残る旧市街はともに世界遺産に指定されています。天気がよく、おいしいシーフードがあり、風光も明媚です。近隣の街への小ツアーがいくつも用意されていて、私たちもボスニア・ヘルツェゴビナとモンテネグロの街へバスで出かけ、自然を楽しみ、興味深い歴史の話を聞くことができました。

 

そういった歴史の話や、美しい自然の写真はガイドブックにも載っていると思うので、強引ですがここで私はクロアチアのビールの話をしたいです。

 

==ビール==
今回、私はブダペストに飛んでうみがめさん、ちーさんと合流し、そこから鉄道で内陸にある首都ザグレブに入りました。そこでまず飲んだビールがザグレブ産のOžujskoというラガービールでした。正直なところ、このビールにはあまりいい印象がありません。炭酸がきつく、味もライトです。日本のビールに近いかもしれません。日本のビールは主に夏の飲み物だと思いますが、私が滞在したときのザグレブの気候は、日本だと初秋の気温だったので、そういうビールには向きの気候ではなかったのだと思います。

 

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それで、次は黒ビールのTomislav っていうのを頼んでみました。お店の人はアイルランドで言う Stout Beer ではなく、Dirk Beer と言ってました。このビールは美味しかったです。ギネスなんかよりは軽く、日本のエビスなんかの黒ビールに近い味です。あまり冷やさずにちびちびやるのに向いています。私自身、気温の低いアイルランドに住んでいるので、ビールは基本、冷やさずに飲む習慣になっているので、こういったビールの方が好きなのかもしれません。

 

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しかしですね、バスでザグレブから海沿いのスプリットに行くと、気候がまったく違うのです。ザグレブでは薄いジャンパーを着ていましたが、スプリットではTシャツ一枚でも暑いです。これはもうビール飲んでくださいというような気候です。私はすでに Dirk Beer ファンになっていたので、Loško というスロベニア産の黒ビールを飲みましたが、これも先の Tomislav と同じタイプでおいしかった。別の店で、Loško を頼むと今度はどういうわけかラガーの生ビールが出てきて、節操ないですがこれもおいしかった。Loško というブランドでいろんなビールが出ているみたいです。

 

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沖縄に行ったときに、地元のオリオンビールがやたらおいしくてガブ飲みしたんですが、東京に戻ってきて飲むとやけに味が薄くてがっかりしたことがあります。それと同じで、私が最初にがっかりした Ožujsko ビールもアドリア海沿岸で飲めばとてもおいしいと思います。でも、そうするとザグレブの人は何を飲んでいるんだろう。あのどちらかというと沈鬱な町並みには、ウィスキーのようなハードなお酒の方が向いているかもしれません。ザグレブで一番印象に残っているのは、集合住宅の屋上に林立しているテレビ・アンテナです。ザグレブの名誉のために申し添えておきますと、私は半日しかザグレブ観光をしてないので、ザグレブの美しい一面を見逃したのかもしれません。また、人はとてもいいです。

 

シルバーウィークと重なったせいもあるのか、海岸沿いの街では日本人観光客もかなりいました。美しい自然、おいしい食べ物、太陽、そして歴史の重みなど、日本人が好きになる要素に溢れているので、クロアチアはこれから人気の国になるでしょう。

 

最後になりましたが、今回の旅行をオーガナイズしてくれたちーさん、そしてちーさんとともに私を誘ってくれたウミガメさん、ありがとうございました。たいへん楽しい旅ができました。

 

==おまけ==
サッカー・ファン的には、帰りの空港に向かうタクシーの運転手さんに聞いた話、「内陸ではディナモ・ザグレブ、海岸沿いはハイジュク・スプリットがナンバー1の人気のあるチーム」が興味深かったです。スプリット以南の海岸沿いの都市には、まともなサッカークラブがなくて、ドゥブロヴニクなんかはスプリットからバスで4時間もかかる位置にあるのにそれでもハイジュク・スプリットを応援してると。実際、バスでスプリットから移動する際、道沿いの落石防止のコンクリートなどにハイジュクのクレスト (エンブレム) が大きく描かれているのを何度も見ました。

 

==おまけのおまけ==
ドゥブロヴニクは猫の多い街です。旧市街でくつろいでいる猫を撮影したら、猫の目が緑色に光りました。
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