1974年5月17日、ダブリンとモナハンで北アイルランドのプロテスタント系民兵組織 UVF (Ulster Volunteer Force) による連続爆破事件が発生しました。ダブリンではシティ・センターの3か所で盗難車に仕掛けられた爆弾が爆発し、計27人が命を落としました。モナハンでの爆破と合わせると計34人が犠牲になったことになります。
先日、ダブリンの3か所の現場を回ってきました。
最初の爆発はパーネル・ストリートで午後5時28分。パーネル・ストリートとマールボロ・ストリートが交わる交差点のあたりで発生しました。爆弾が仕掛けられていたのは、ウェルカム・インという今は営業していないパブの近くの路上駐車スペースに停まっていたメタリック・グリーンのヒルマン・アヴェンジャー。ここでは2人の幼児を含む10人が亡くなりました。
爆発現場の近くの歩道には、メモリアル碑が埋め込まれています。メモリアル碑には11人が亡くなったと書かれていますが、これは夫が爆弾に巻き込まれて死亡した後、妻が出産したけれども死産だった赤ちゃんも含まれているようです。
第二の爆弾が仕掛けられたのはタルボット・ストリート。爆破時刻は午後5時30分。ガイニーズ百貨店の対面に駐車していたメタリック・ブルーのフォード・エスコートが爆発しました。命が奪われたのは14人。そのうちの1人は妊娠中だったので、その胎児も犠牲になったことになります。
タルボット・ストリートの西の端、コノリー駅の近くにはこの連続爆弾事件によりモナハンとダブリンで亡くなったすべての人の名前を刻んだメモリアル碑が建てられています。35人の名前が刻まれていますが、ここには、先述の死産だった赤ちゃんと妊娠中の女性のお腹の中にいた赤ちゃんも含まれています。
第三の爆弾は、午後5時32分。ナッソー・ストリートがサウス・レンスター・ストリートに変わるあたり、トリニティ・カレッジの鉄の柵の近くで爆発しました。使用された車は青のオースティン1800。女性2人が犠牲になりました。ここには特にメモリアル碑みたいなものはありません。
考えてみればモナハン・ダブリン爆破事件から今年でちょうど50年なんですね。この事件を扱った『MAY-17-74 : The Anatomy of a Massacre』という新しいドキュメンタリー映画も今年公開されています。実は先週の木曜日にライトハウス・シネマで上映されたんですけど、私はちょうどモナハンに行っていて見逃しました。DVDが出ていたら買いたいと思います。
参考資料:
Dublin and Monaghan bombings - Wikipedia