トランス女性が女子競技に参加することについていろいろと議論が起きていますが、アイルランドのラグビー協会がトランス女性選手に関するガイドラインを発表しました。
IRFU updates Transgender guidelines.
— Irish Rugby (@IrishRugby) 2022年8月10日
‘This is a particularly sensitive area, and it is important that respect is shown to all members of our rugby family and the wider community.’https://t.co/IjMhVRtqeC pic.twitter.com/cM4VBrqY1U
端的にいいますと、女子ラグビー競技に参加できるのは、出生時の性別が女性であったものに限るということです。
ラグビーの国際的な統括団体であるワールド・ラグビーは2020年に同様のポリシーを採用しているので、アイルランドのラグビー協会もこれにならったということになります。イングランドのラグビー協会も同様の決定を先月くだしています。つまり、イングランドでもアイルランドでもトランスジェンダーの女性は国内大会でも女子競技に参加できなくなります。
アイルランド・ラグビー協会によれば、今回の決定は純粋に安全性に関する研究・調査に基づくものだということです。すなわち、男性として第二次性徴期を経験した人は、その後男性ホルモンを抑制したとしても、生物学的女性と比べて肉体的に有利であるということ。したがって、競技中い怪我が発生するリスクが高くなって危険だということです。
現在、トランス女性でアイルランド・ラグビー協会に登録している選手は2人いるそうですが、既に協会はこの2人と直接話をしているそうです。審判、コーチ、ボランティアとしてや、身体接触のないゲーム形式 (タグ・ラグビーやタッチ・ラグビー) で引き続きラグビーの活動に参加することを話し合ったそうです。
トランス男性は引き続き、本人の同意とリスク評価を経て、男子競技に参加することができます。
協会の Spirit of Rugby Manager のアン=マリー・ヒューズさんは、「私たちは引き続きできうるかぎり包摂的になるように取り組んでいく。私たちは今後もLGBT+コミュニティの支援を続ける。今回の決定を残念に思う人がいることがいることもわかっているが、あらゆる人がラグビーに参加することができ、共に取り組んでいけることを強調したい」としています。
今回の決定は協会にとっても難しいものであったと思いますが、肉体的接触の激しいスポーツであることを考えれば理解のできるものと思います。
以前、私はトランス女性の女子スポーツ参加に関する動画を翻訳してツイッターにあげたことがありました。興味のある方はこちらも参考にしてください。
動画『女子スポーツの終わり』を訳してみた。セリナ・ソールはコネチカット州の高校の部でトップ5に入る女子短距離走者だった。生物学的な男子と競うようになるまでは。女子はレースに負けるだけでなく、大会に参加する機会まで奪われようとしている。どうすればいいのか?https://t.co/phSUyHccjh pic.twitter.com/WA6eGxM83g
— tarafuku10 (@tarafuku10) 2020年11月23日