ガソリンスタンドの給油機のメーターが独立機関の認証を受けてるのは知っていましたが、パイント・グラスも同じように認証を受ける制度があるのは知りませんでした。まあ、パブでビールを買うときは量り売りで買うわけですものね。こちらのツイートで知りました↓。
Did everyone else already know this or am I just easily amused? pic.twitter.com/tbrJ8tq3nl
— Justine Stafford (@JustineStafford) 2022年8月6日
ウチにあるパイント・グラスを見てみると、確かにマークが入っています。たとえばこちら。最近ハイネケンから発売されたアイランズ・エッジというスタウトを買ったときにおまけでもらったグラスです。
”Pint”は容量、”CE”は言わずとしれたEU基準適合マーク、”0071”は認定を出した行政機関のID番号、”M21”は2021年に計測 (Measurement) されたことを示します。”ARC”が製造元。今度パブに行ったときに確認してみてください。
一口でパイントといってもそれが示す量はいろいろあるようで、イギリスやアイルランドで使われているのはインペリアル・パイントといって568mlですが、アメリカだと473ml、オーストラリアだと570mlだそうです。
アイルランドでは、NSAI (National Standards Authority of Ireland) という政府機関が認定を行っています。以前は次の写真のようなマークが使われていましたが、2006年ごろから現在のCEマークの入ったグラスに交換されていったようです。
イギリスでは2007年以前は王室の配下の機関が認証を行い、合格したグラスには王冠のマークが押されていました。
しかし、EU指令により、グラスの製造元はEU加盟国のどこでも認証を受けることができるようになり、CEマークが使われるようになりました。保守党が王冠マークも使えるようにキャンペーンを行って、王冠に似たマークも併用できるようになったようです。
EU離脱後は、UKCAマーク (イギリス版のCEマーク) が使われることになり、2021年9月には正式な王冠マークの復活がアナウンスされたようです。
独立機関がグラスの内容量をしっかりと検定するようになったので問題がなくなったかというとそうではありません。ビールを注ぐと一番上に泡ができるわけですが、泡はビールじゃないから1パイントのビールを頼んでも、1パイントより少ない量しかもらえないじゃないかと消費者団体が文句をつけたわけです。
これはイギリスの話なんですが、パブではビールをインペリアル・パイント単位で売り、1パイント頼まれたらきっかり1パイント売りなさいと法律で決まっているらしいんですね。で、まあ、ガイドラインとしては、グラスの95%がビールで5%が泡であればOKとしたようです(5%はだいたい小指の太さです)。ただ、それに不満なお客さんがトップアップを求めてきたら、それに応じてあげなさいと、パブの業界団体は指示しているそうです。
大き目のグラスをつくってパイントのところにラインを引き、そこまでビールを注いでラインの上に泡ができるようにするような試みも行われたそうですが、あまり流行らなかったみたいです。