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マイケル・コリンズが英愛条約の署名に使用した万年筆

 

 

マイケル・コリンズ1921年の英愛条約に署名する際に使用した万年筆が、アイルランド国立博物館コリンズ・バラックで展示されています。条約を結んだときにコリンズが英国側のバーケンヘッド卿に向かって「私は自分の死刑執行令状にサインしたのだ」と有名は台詞を吐いたときに握っていた万年筆です。

 

www.irishtimes.com

 

マイケル・コリンズが条約に署名したのは1921年12月6日の午前2時。場所はダウニング・ストリート10番地です。彼はこのマイケル・ウォーターマンの万年筆をいつも胸ポケットに入れていたそうです。

 

コリンズ・バラックでは現在、英愛条約の100周年を記念して、「Studio & State: The Laverys and the Anglo-Irish Treaty」(アトリエと国: ラヴァリー夫妻と英愛条約) と題する展示を行っています。この展示で最も人気のあるのがコリンズの万年筆だそうです。

 

署名済みの条約の写し、条約賛成派/反対派のビラ、アイルランド代表団が使用したタイプライターも展示されています。

 

今回の展示は、アイルランド国立博物館とヒュー・レーン美術館が合同で企画したもの。

 

ラヴァリー夫妻というのは、画家のジョンとその妻ヘイゼルのこと。ジョンはベルファスト生まれで、スコットランド育ち。Sir の称号を得ています。アイルランド側にもイギリス側にも友人がおり、ロンドンの自宅に条約交渉の主要人物を招いてポートレートを描いたそうです。今回の展示には、彼が描いた条約の主要交渉者のポートレートも含まれます。

 

ちなみに、マイケル・コリンズは長い間座っているのが嫌で、コートも脱がずに絵のモデルとなったそうです。ポケットには拳銃が突っ込んでありました。

 

ジョンのアトリエは両陣営の非公式な会談の場としても使用されたそうです。その会談においては妻のヘイゼルも大きな役割を果たしたといいます。ジョンは彼自身をアーチスト兼外交官だと考え、彼のアトリエは「中立地」だと見なしていたようです。

 

英愛条約の交渉と締結は、20世紀のアイルランドを決定づけるできごととなりました。この条約は平和の架け橋でもあり、市民戦争のきっかけでもありました。ジョン・ラヴァリー卿の絵は、この重要なイベントに関する比類のない記録となっています。

 

この展示のオープニング・イベントに参加したレオ・ヴァラッカー副首相は、英愛条約は平和への踏み石になったとし、この展示はその踏み石がどのように置かれたかを私たちに見せてくれると述べました。また、ラヴァリー夫妻は英国とアイルランド間の調和を推進するためにベストを尽くしたとも述べました。「夫妻の家は、異なる意見を交換し、対立する立場を理解するための安全な非公式の場所だった」。

 

展示は2022年12月まで。入場は無料です。

 

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