随分前に昔のマッチを数百個ぐらいまとめて Adverts.ie で買ったことがありました。値段は150ユーロとか200ユーロとか払ったと思います。
段ボール箱に入れたまま放っておいたんですけど、最近いろいろかたづけをしていて、昨日時間があったのでどんなマッチがあるか詳しく見てみました。
まずこちら。We Are The Young Europeans という文字が書いてあります。We Are Young Europeans ではなくて We Are THE Young Europeans ですからね。
これは何のマッチかと思って裏を見てみますと。。。
なんと、アイルランド政府産業開発庁 (IDA) のプロモーション・マッチなんですね。IDA は海外からの投資を呼び込むための政府機関です。今はどうかわかりませんけど、一昔前のアイルランドの宣伝文句は、英語がネイティブで教育程度の高い若い人材が豊富に存在する、ということでした。主にアメリカの企業に対して、ヨーロッパにヘッドクォーターを置くならアイルランドがいいですよ、というのがセールス・ポイントだったわけです。写真に写っている人の髪型や服装から見て、1980年代のものですかね。
次はダンレアリ選挙区選出の下院議員だったブライアン・ヒラリーさん (1937 -2021) の選挙運動マッチ。
日本ではウチワを配っただけで辞任した大臣がいましたけど、アイルランドではこういうのを配るのはOKということなんでしょうね。Vote No1 と書いてあるのは、アイルランドの選挙制度は単記移譲式というやつで、投票用紙には候補者全員のリストが掲載されていて、当選してもらいたい順番に1から番号を振っていくんですね。なので、「私の名前の横に1と書いてください」という意味です。
次はたぶん結婚式用につくったマッチ。
Carol さんと Brian さんが 1989年9月2日に結婚したんでしょうね。それで披露宴に来てくれた人に配ったか、テーブルに置いてあったかしたのでしょう。
次はダブリンの日本食料理店、Yamamori のマッチ。
サウス・ジョージ・ストリートにヤマモリができたのは1990年代半ばだったと思います。リフィー川沿いに2店舗目ができて Noodle と Sushi というのを名前に付けたんですが、それが2000年くらいだったかな。アイルランドで飲食店屋内での喫煙が禁止になったのが2004年ですから、それまではこういうマッチも盛んに作られていたわけですね。飲食店で無料のマッチが置いてあったのは遠い昔のように感じますけど、それほど昔のことではないんですね。
次はバンク・オブ・アイルランド設立 200周年記念マッチ。
次はサッカーW杯関係のマッチ。左は90年イタリアW杯のもので、オドナヒューズというコークのパブが作ったもの。右86年メキシコW杯のもので、裏にRTEの試合中継スケジュールが書いてあります。
それから次はタバコの宣伝用マッチ。
昔はパブに置いてあるビアマットにもタバコの宣伝が書かれていたりしましたが、アイルランドではタバコの宣伝は随分前に一切禁止になりました。お店で陳列するものダメなんですよ。レジでタバコの銘柄を言うと、店員さんが後ろの戸棚をあけて出してくれます。
次は私が一番気に入ったデザインのマッチ。
ミシシッピ州のトゥニカという街にあるフィッツジェラルドというカジノのマッチ。「アイルランドの幸運がミシシッピにやってきた」と書いてあります。レプラコーンが金貨の入った壺を抱えている絵に代表されるように、アメリカではアイルランドと運の良さが結びいている感じですかね。ちなみに今調べたんですが、トゥニカは人口1000人ほどの小さな町ですが、1994年に郊外にギャンブルのリゾートが建設され、その規模はわずか8年程でアメリカ第三のカジノ・シティーと呼ばれるまでに成長したそうです (1位はラスベガス、2位はアトランティック・シティー)。
最後はアイルランドとまったく関係ないんですけど、インディアナ州エルクハートという町にある Diplomat というモーテルのマッチ。
デザインが良かったので気になり、今も営業しているのかな、とグーグルで調べてみると、いかにもアメリカのモーテルみたいな写真が出てきてよかったです。