たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

ピーターソンのパイプ

 

 

いやあ、最近は買うのを控えていたんですけれど、ついまた買ってしまいました。パブミラー。ダブリンのパイプメーカーであるピーターソンのパブミラーということで、値段も手ごろだったのでつい購入してしまいました。Adverts.ie という売ります買いますサイトで50ユーロ。

 

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そこそこ重さがあるのと、額縁の雰囲気からして、ある程度古いものではないかと思います。60年代くらいかな。これまで私は見たことのないミラーです。インターネットで検索しても1件しか同じものはヒットしませんでした。

 

パイプをくわえた博識そうな年配の男性が中央に描かれており、下には小さく「The thinking man smokes a Peterson」と書かれています。この男性は誰なのか調べてみたところ、ピーターソンの「システム・パイプ」という製品の広告の歴史について書かれた記事が見つかりました。

 

www.smokingpipes.com

 

この記事によりますと、「考える男」と呼ばれるこの男性は、トリニティ大学のある有名な先生だそうです。名前まではわかっていません。「考える男」が最初に広告に登場したのは1906年のことだそうです。

 

「考える男」が登場する前の1890年代には、ピーターソンは次のような広告を出していました。

 

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「強い男 」がパイプに56ポンド(25kg)の重りをぶら下げている広告です。パイプの頑丈さを示す意図もあったのでしょうが、ピーターソンが広告の訴求対象を「強い男」から「考える男」へと世紀の変わり目で変更したということなんでしょうか。

 

ピーターソン・パイプはドイツからの移民のカップ (Kapp) 兄弟が1865年にダブリンで設立した会社です。それからしばらくして、ラトビアからの移民だったチャールズ・ピーターソンという職人がカップ兄弟の作業場にやってきて、「これよりもいいものをオレは作れる」と言い張ったそうなのです。実際に作らせてみるとその出来が素晴らしかったので、彼は最終的に3人目のパートナーとなり、会社名も Kapp & Peterson Ltd となります。

 

最初はグラフトン・ストリートに作業場兼ショップを構えていたのですが、イースター蜂起 (1916年) のすぐ後ぐらいにサックビル・ストリート (現在のオコネル・ストリート) の南の端、オコネル橋に一番近いところに移転します。現在はスターバックスが入っているビルです。

 

2014年ぐらいまでは、このビルの一番上に「Kapp & Peterson Ltd」という文字がまだ残っていました。

 

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現在は残念ながら改装されて文字は消えてしまいました。

 

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ご存じの方も多いと思いますが、ピーターソンのお店は現在はナッソー・ストリート (グラフトン・ストリートの入り口のすぐそば) にあります。

 

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