たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

北アイルランド紛争: バリマーフィーの虐殺の犠牲者は全員が無実の人だった

 

この事件については私はほとんど知らなかったのですが、今日の大きなニュースになっていたので書いてみます。

 

www.irishtimes.com

 

1971年に西ベルファストのバリマーフィー (Ballymurphy) 地区で、イギリス軍が10人の市民を射殺したという事件です。

 

1971年8月9日、イギリス軍はデメトリウス作戦という作戦を開始します。目的は、IRAのメンバーを逮捕および予防拘禁するためです。

 

イギリス軍兵士がバリフマーフィー地区に入ったところ、銃による攻撃を受けたので応戦します。この銃撃戦の中で、銃で攻撃してきた11人を射殺した、というのがイギリス軍の説明。犠牲者の家族は軍の言い分を強く否定しています。

 

8月9日に殺されたのが6人

 

フランシス・クイン (19) - 怪我した男を助けにいこうとしたところを撃たれた。

ヒュー・ムラン (38) - カトリックの神父。怪我した男を助けにいこうとしたところを撃たれた。白いハンカチを掲げて攻撃の意思がないことを示していたとされる。

ジョアン・コノリー (44) - 軍基地の向かいに立っていたところを撃たれた。3人の兵士に打たれた。手当を早めに受ければ助かった可能性があったが、何時間も放置された。

ダニエル・タガート (44) – 14回打たれた。ほとんどの弾は背中から撃たれていた。けがをして地面に伏せているときに撃たれたとも言われる。

ノエル・フィリップス (20) - 軍基地の向かいに立っていたところを撃たれた。

ジョゼフ・マーフィー (41) - 軍基地の向かいに立っていたところを撃たれた。撃たれた後、軍に拘束される。拘束中に殴られ、銃で撃たれたと証言。解放後に病院で死亡。

 

8月10日に1人、8月11日に3人が撃たれて死亡。

 

エドワード・ドハティー(28) - 道を歩いているところを撃たれる。

ジョン・ラバティー (20) – 路上で背中と足を撃たれた。

ジョゼフ・コア (43) - 路上で何回か撃たれ、その怪我が原因で8月27日に死亡。

ジョン・マッケア (49) - カトリック教会の外に立っているときに身元不明のガンマンに撃たれ、その怪我が原因で8月20日に死亡

 

パディー・マッカーシー (44) - 複数の兵士に取り囲まれる。家族の証言によれば、弾の入っていない銃の銃口をくわえさせられ、引き鉄が引かれた。マッカーシーはそのすぐ後に心臓発作で死んだ。

 

この事件の調査は2018年9月に始まり、その結果が今日の午前中に裁判所で言い渡されました。射殺された10人は全員が武器を持たない無実の一般市民だったということです。心臓発作でなくなった方は今回の調査の対象ではありません。

 

キーガン裁判官は「今回の調査結果によって、遺族にいくらかの心の平安が訪れることを望む」としています。

 

 

f:id:tarafuku10:20210511235805j:plain

バリマーフィーの虐殺の犠牲者を悼む記念碑 Photo by Keresaspa

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ