「ディザスター・ガール」のインターネット・ミームで有名になった少女が21歳の大学生となり、オリジナルのデジタル写真を非代替性トークン(NFT)として180イーサリアム(約$473,000、約5000万円弱)で売却した、というお話。
『ディザスター・ガール』については、2019年8月に私も一度記事にしたことがあります。
この写真は彼女が4歳のとき、近所で火事があり、野次馬として一緒に見に行ったお父さんが何の気なしに撮影したもの。4年ぐらいたってお父さんが写真共有サイトに投稿したところたちまち話題になしました。お父さんにとっては可愛い我が子の写真が、他人にはサイコホラーの1シーンに見えたようです。
燃え盛る家を背景に、カメラの方を振り返って不敵な笑みを浮かべる少女。さまざまなテキストが書き加えられた写真がサイバー空間を飛び回りました。
たとえばこちら。
「私の隣人は昔、ジャスティン・ビーバーを聞いていたのよ。昔はね」
彼女の名前はゾーイ・ロスさん。現在はノースカロライナ大学チャペルヒル校に通う大学生。イタリアン・レストランでバイトもしています。
非代替性トークン(NFT)というのはブロックチェーンと呼ばれるデジタル台帳上のデータの単位です。一意のデジタルアイテムを表すことができるので、「ディザスター・ガール」のオリジナル写真の非代替性トークンはこの世で1つだけ、ということになります。これによって、複製した写真とは区別を付けることができ、美術品のように唯一性がでてくるというわけです。
競り落としたのは、@3FMusic というハンドル名を持つコレクター。一部の報道によると、ドバイにある音楽制作会社の CEOの Farzin Fardin という方だそうです。
それから、競りに使われた通貨は仮想通貨の Ether です。
ゾーイさん:「ミームになった人の中で、ミームになろうと思ってなった人はいないでしょう。たまたまそうなってしまったのです。幸運? 運命? わかりません。でも」
手に入れたお金は被写体のゾーイさんと撮影者であるお父さんのデイブさんと分けるそうです。ゾーイさんは慈善団体への寄付を考えており、お父さんはホンダ・シビックのベンチレーターの修理に充てるそうです。
インターネット・ミーム、仮想通貨、NFT、ドバイの音楽制作会社社長。なんだが、現代を象徴するアイテムがてんこもりのニュースですね。