先日、菅義偉首相がアメリカを訪問してバイデン大統領と会談しました。その時の共同記者会見で、バイデンさんが「Japanese Boy が US マスターズで勝った」みたいなことを言ったんですね。
“You got a Japanese boy coming over here" to win the Masters pic.twitter.com/UOcbRR8KNr
— Jewish Deplorable (@TrumpJew2) 2021年4月16日
Japanese Boy はもちろん松山選手のことを指すわけです。松山選手は29歳でBoy と言うには大人すぎます。ちょっと感じが悪いとか、バカにしているんじゃないかとか、日本でも米国でもツイッターなんかではざわついておりました。
関係ないんですけど、Japanese Boyで思い出したのが、1981年に英国シングルチャートで1位に輝いたアニーカの『Japanese Boy』。
アニーカさんはこの曲以外にヒットがないワンヒットワンダー。いわゆる一発屋です。日本でのリリースを日本のレコード会社に持ち掛けたところ、曲が中国風過ぎると断られたそうです。曲を聞いていただければわかると思いますが、それはそうでしょうとしか言いようがない。着物を左前に来ています。いや、言い出すときりないですけど。
この『Japanese Boy』に限らず、1980年前後のUK音楽シーンで小道具のように使われていた、ちょっとひねくれた日本趣味っていうのはなんだったんですかね。Japan っていうそのものズバリの名前を付けたバンドもありましたが。ちょっとエッジが立った感じがしたんでしょうか。
その流れの中で一番有名なのはやっぱりこれ。ヴェイパーズの「ターニング・ジャパニーズ」。1980年のUKシングルチャート最高位3位。別れた彼女の写真を見てると日本人になっちゃうよー、という歌。
ちょっと意味がわかりませんけど、どうも Turning Japanese には隠語で「オナニーする」という意味があるらしくて、これは男性が射精するとき目が細くなって日本人みたいになるからだそうです。ただ、本人たちの説明によれば「まったく予想もしていなかった人間に変化してしまうこと」らしいです。
次。こちらはアイルランド人だけどフィル・ライノットの「Yellow Pearl」という曲。
1981年UKチャート最高位14位。79年に日本ツアーに来て、そのときに着想を得た「日本のテクノロジが世界を支配する」みたいなテーマの歌らしい。曲タイはYellow Peril (黄禍)を連想させます。BBCの「トップ・オブ・ザ・ポップス」のテーマ曲にもなったそうです。
それからこちらは、ミッキー・ジャップ (Mickey Jupp) というそれほど有名ではないミュージシャンの「Juppanese」というアルバムのジャケット。1978年のリリース。これはひどいですね。テーブルの上の料理が全部中華料理じゃないですか。 #そこじゃない
しかし、まあ日本を象徴する意匠といえばやはり旭日旗なんでしょう。ヴェイパーズが2016年に再結成したときのライブのポスター (左) とシン・リジーの1983年のシングル「The Sun Goes Down」のジャケット (右)。