U2 のギタリストのジ・エッジが、気候変動のターゲットを達成するために、次世代の原子力発電を採用することを各国は検討すべきだと発言しました。
ダブリンの投資会社である VentureWave Capital 社で行われたパネル・ディスカッションで語ったもの。「再生可能エネルギーに関する現在の戦略でターゲットが達成できるのか、よく考える必要がある。いくつかのことについて再考する準備がなければならない」
アイルランドとは特定しませんでしたが、「第三世代の原子力エネルギーが解決策の1つとなる可能性について、開かれた心を持たなければならない」
「太陽光パネルや風力発電施設が私たちの土地に与える影響。再生可能リソースに捧げられた土地は非常に広い。これはほんとうに実際的なのか?」
昨年12月、エイモン・ライアン環境大臣 (緑の党) は、アイルランドで原子力発電を利用する可能性を排除はしない、と述べています。しかし、今年の3月には、ジェイムズ・ローレス議員への文書による国会答弁で、「原子力発電所はアイルランドでは禁止されている。一部の研究において、原子力発電を可能性のあるテクノロジとして検討すべきだという指摘があるが、アイルランドにおける原子力発電の禁止について再考する計画はないし、その展開について調査する計画もない」としています。
「永遠の楽観主義者」を自称するエッジさんは、気候変動については政治家の大聖堂思考が必要だ、としています。
大聖堂思考 (Cathedral Thinking) というのは、大聖堂を建設するときのように、遠く未来を見通し、綿密に計画を立て、長期にわたる実装に協力して取り組み、みたいな意味です。2019年にスウェーデンの環境活動家であるグレタ・トゥーンベリさんも使っていました。
「すべての人の考えが選挙サイクルにとらわれている。誰もが結果を今すぐ求めている。政治家が長期的な視野で考えられるように変えられる力を有権者は持っている。それを表す言葉が大聖堂思考である」
「悪い評判のある既存の産業に対して、変わるようにと働きかけなければならない。完璧を求めるあまりに本来の目的を見失ってはいけない」
先月公開されたアイルランドの「気候に関する活動法案」では、2050年までに二酸化炭素排出量をゼロにするとしています。現在のところ、CO2排出量に関するアイルランドの成績はあまりよくない。2018年、人口あたりのCO2排出量はEUで3番目に高い。
VentureWave Capital の 10億ユーロ規模の Impact Ireland 投資ファンドには、エッジのほか、U2のベーシストであるアダム・クレイトン、俳優のリアム・ニーソン、リリー・オブライエンズ・チョコレート創業者のメアリ・アン・オブライエンが出資している。
アイルランド系アメリカ人でバンク・オブ・アメリカ (BoA)の副会長であるアン・フィヌカンさんは、VentureWave のイベントにおいて、BoAは今後10年間で気候関連の金融活動に少なくとも1兆ドルを投資すると語った。
ここでエッジさんが語っている第三世代の原子力発電というのは、たとえば現在の日本にあるような大規模な施設のことではなくて、小型原子炉を使う発電です。小型原子炉を使えば、発電所の施設もかなり小さくなります。