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フォーブス誌が書いたリムリックの悪口

 

 

先日、ストライプというオンライン決済の会社を起こしたコリソン兄弟について書きましたが、今日また彼らの話がアイリッシュ・タイムズに載っていました。

 

www.irishtimes.com

 

昨日の金曜日にフォーブス誌にコリソン兄弟の記事が掲載されたのですが、その中で彼らが育ったリムリックのことがこっぴどく書かれていたのです。

 

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フォーブスのスティーヴン・マクブライド記者が書いた記事はこう始まります。「その町を “スタブ・シティー” と呼ぶ者もいる」。Stab City というのはナイフで刺す (Stab) 事件が数多く発生していたことから名づけられたリムリックのニックネームです。このあだ名は、アイルランドだけでなくイギリスの人でも知ってる人が多いと思います。たしかに、過去にリムリックはギャングの抗争がひどい時期があって、事件が多発していたのは事実です。

 

記事はこう続きます。「多くの人はアイルランドのことを、緑の丘が広がり、5つ星のゴルフ・コースがたくさんある場所だと考えているかもしれない。しかし、アイルランドの田園地方の真ん中には、リムリックと呼ばれる町がある。ヨーロッパの “殺人の首都” として知られる場所だ」

 

記者としては、スラムのような町に育ち、困難を克服しながらシリコンヴァレーにわたり、大成功を収めた兄弟というストーリーに落とし込みたかったようなのですが、このリムリックの描写があまりにひどいとSNSで炎上しました。

 

マクブライド記者の記事はさらに続きます。「あなたが自分の子供を育てたいと一番思わない場所がリムリックだ。しかしこの町で高校に通った2人の兄弟は、逆境に打ち勝った。”スタブ・シティー” を抜け出しただけではない。シリコン・ヴァレーに移り住んだのだ」

 

いやもうこれだけ読むと、リムリックはゴッサム・シティーかと思いますけど、実際に行ってみれば普通の町です。

 

財務省国務大臣であるパトリック・オドノヴァン議員は、政府の代表として、同誌は「記事が引き起こした侮辱と苦痛に対して直ちに謝罪すべきだ」とツイートしています。

 

リムリック選挙区のキアラン・オドネル国会議員は、直ちに謝罪し、記事を撤回することを求めたほか、記事は「恥さらしで、根拠がなく、不正確である」としています。

 

RTEのペチュラ・マーティン記者も、「リムリックに関するフォーブスのこの中傷的な記事をコリソン兄弟はどう思うだろうか? 有害、中傷、落胆」とツイートしています。

 

コリソン兄弟の兄であるパトリックも、この記事についてこうツイートしました。

 

 

 

「リムリックについて間違っているだけでなく、何かを “克服した” という考え方は馬鹿げている。私たちはあの場所で育ったからこそ、今の私たちになった」。

 

「We are who we are *because* we grew up where we did.」。口に出して読みたい英語ですね。

 

フォーブスの記事は、削除されたのかどうか定かではありませんが、現在アクセスできない状態になっています。

 

しかし、ある地域が不当に悪く書かれたときに、即座に政治家やジャーナリストが反論してくれるのはいいですね。

 

 

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