たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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ノンアルコール飲料はアイルランドで火が点くのか?

 

 

正月早々、ノンアルコール飲料に関する記事が2つほどアイリッシュ・タイムズに掲載されていました。

 

1つめはこちら。「フード&ドリンク」セクションの記事で、「ノンアルコール蒸留酒から心地よく興味深いカクテルができる」という記事。”Spirits” を “蒸留酒” と訳したんだけど、酒じゃなくてノンアルコールだから “スピリッツ” にしたほうがいいかな。

 

www.irishtimes.com

 

この記事では、Lyre’s (ライラズ) というオーストラリアのノンアルコール・スピリッツのブランドが紹介されています。ほとんど宣伝みたいな記事なんだけど、宣伝とは書いてない。

 

記事によれば、アイルランドでもノンアルコール飲料への需要は増加していて、進取の気性に富むバーなんかでは、アルコール分のないカクテルなんかも提供しているとのこと。

 

Lyre’s は2019年にオーストラリアで13種類のノンアルコール・スピリッツをリリース。現在では30か国で販売されているそう。社長のマーク・リヴィングズさんによれば、3つの世代がそれぞれ異なる理由でノンアルコール飲料を求めている。

 

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まず、最も若い世代の間では、しこたま飲むという文化が薄れてきていて、前の世代よりも健康や外見を気にしている。ジェネレーションX (1960年代半ばから80年代前半生まれ)とY (1980年代前半から1990年代半ば生まれ)では、禁酒期間をもうけてその間はお酒を我慢する人も多い。ベビーブーマー世代 (戦後から1960年代前半生まれ) は、健康と長寿を願ってお酒を減らしている。ここでいうベビーブーマー世代はアメリカの言い方なので、日本の概念とは違います。

 

リヴィングズさんは、「元のお酒の風味を残しながらもアルコール分のない飲料を世界は求めている」とおっしゃっています。

 

記者も試してみたところ、ストレートで飲むとそこそこ似た風味があるのだが深みに欠けるという印象だそう。しかし、カクテルにすると、心地よく、興味深いドリンクになるとか。

 

Lyre’s はスーパーバリュなどで購入できるそうです。

 

それから2つ目は「ギネス0.0」の記事。ギネスのノンアルコール・バージョンです。見出しは「ノンアルコール・ギネスを発明した女性」。

 

www.irishtimes.com

 

ノンアルコール・ギネスの発売が発表されたのは昨年の11月。このブログ記事を書くので私も飲んでみようと思い、さきほどスーパーに買いに行ったら売っていない。ウェブサイトで調べてみると、いったん英国で発売したものの異物の混入があったとかでリコールになったそう。というわけで現在市場には出てないようです。

 

ノンアルコール・ギネスの開発チームに所属するアシュリン・ライアンさんに開発秘話を聞いていくという趣向の記事です。見出しから私が受けた印象は、ライアンさんがリーダーとしてチームを引っ張った、または、決定的なブレークスルーを生み出した、というものだったんだけど、そういうことではないみたい。

 

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ゴルウェーの農家に生まれ、大学院で食品テクノロジーを学び、インターンとしてダブリンのギネス工場に雇われ、今年で7年目だか8年目だそう。

 

ビール醸造業というと男性の職場と言うイメージですが、ライアンさんのチームは男女比が50:50だそうです。また、ライアンさんは、醸造が工業化される前は、ビールを作るのは主に女性の仕事だったんですよ、とも言っている。

 

正直言うと、この記事も宣伝っぽいんだけど、宣伝とは書いていない。ギネスの側としては、女性技術者をメディアに登場させることで、女性消費者にアピールしたいという思いもあったのかなあ、なんて思います。ギネスはやっぱり男性のイメージが強いですからね。また、最近は女性の社会進出に積極的に取り組んでいるという企業イメージも大事でしょう。

 

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ふと思い立って、アイルランドのアルコール消費量のトレンドを調べてみたんですが、1960年から2001年までの約40年間で、1人あたりのアルコール消費量は約3倍になったそうです (純アルコールで 4.9L -> 14.3L)。2000年代からは消費量が下がっていき2015年には10.9Lまで落ちました。これは主に酒税を上げたからだそうです。しかし、お酒の値段が下がった2016年一気に11.5Lに上がり、その後は11L前後をうろうろしています。2019年は10.78Lでした。2015年の純アルコール10.9Lというのをお酒に換算すると、ジン/ウォッカなら41L、ワインなら116本、ビールなら446パイントになるそうです。また、アイルランドでお酒をまったく飲まない人は約2割だそうです。

 

 

en.wikipedia.org

 

 

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