新年あけましておめでとうございます。今年もよろしくお願いします。
去年はコロナで映画館が閉まっていたため、あまり映画を観ることができませんでした。今年も少なくとも1月末までは閉まったままになることが決まっています。早く普通の生活に戻れるといいですね。
Peninsula (2020 年、韓国)
邦題: 新感染半島 ファイナル・ステージ
12/22 at Light House Cinema
監督: ヨン・サンホ
ゾンビがいっぱいでてくるということで、ホラー映画が苦手な私は見に行こうかどうかまよったのですが、見に行ってよかったです。ホラーというよりも、痛快アクション・スリラーですね。4年ほど前の『新感染 ファイナル・エクスプレス』の続編で、私は前作を見てないのですが、すごく楽しめました。ゾンビに汚染された朝鮮半島から避難し、香港で難民生活を送る韓国人が、悪い奴にそそのかされて、高速道路に放置されたドル紙幣満載のトラックを取りに行く話。アクションだけでなく、さまざまな形の家族愛あり、女性や子供の活躍など多様性にも気を配り、娯楽大作に仕上がっていますね。ただ、主演男優の物憂げな顔をするシーンがそこかしこに挿入されるのですが、あれはなにか意味があるんでしょうかね。
Mank (2020 年、アメリカ)
邦題: Mank/マンク
12/23 at Light House Cinema
監督: David Fincher
『市民ケーン』の脚本を書いたハーマン・J・マンキーウィッツの伝記映画。マンクは彼の愛称です。監督はデビッド・フィンチャーで、お父さんのジャックが書いた脚本に基づき作ったそうです。交通事故でおった怪我を療養しながら『市民ケーン』の執筆に取り組むアル中のマンクの姿を縦軸に、回想シーンでは新聞王ハースト、その愛人で女優のマリオン・デイビスなどが実名で登場し、ハリウッドの清廉とは言えない実情が暴かれていきます。オーソン・ウェルズとの確執の後、脚本家として映画にクレジットされる権利を勝ち取ったマンクは、ウェルズと共にアカデミー賞の脚本賞を受賞します。主演のゲイリー・オールドマンは、もう重鎮役者といっていい貫禄を醸しだしています。いやあ、私、実は『市民ケーン』を見たことないんですよね。
出演: Gary Oldman, Amanda Seyfried, Lily Collins, Arliss Howard, Tom Pelphrey, Sam Troughton, Ferdinand Kingsley, Tuppence Middleton, Tom Burke, Joseph Cross, Jamie McShane, Toby Leonard Moore, Monika Gossmann, Charles Dance
Finding Jack Charlton (2020 年、イギリス)
12/30 DVD
監督: Gabriel Clarke, Pete Thomas
出演: Jack Charlton
2020年7月に亡くなったジャック・チャールトンのドキュメンタリー映画。ジャック・チャールトンは1966年にイングランドがW杯で優勝したときの不動のセンター・バックであり、1986年から10年にわたってアイルランド代表監督を務めました。アイルランド代表監督時代のチャールトンに焦点を合わせた映画ですが、単なるサッカーのドキュメンタリーではありません。家族間の人間関係 (特に弟ボビーとの確執) やアイルランドの社会状況など、さまざまな要素がリッチに織り込まれています。イギリスに対する複雑な想い (チャールトンはアイルランド初の外国人監督、しかもイギリス人。選手にも生まれが英国の選手が何人もいた)、北アイルランド問題 (1994W杯予選の最終戦はベルファストで行われました)、強固なカソリックの因習 (チャールトン時代の中心選手だったポール・マグラは父親がナイジェリア人で、未婚の母の下に生まれた。当時のアイルランドは黒人もほとんどおらず、未婚の母として生きることも非常に困難だった) などなど。また、晩年のチャールトンは認知症に苦しんでいたのだが、つい最近、弟のボビーも認知症になったことが公表された。映画の中でインタビューに答えた医者によると、60年代ころに活躍したサッカー選手が認知症になる可能性は普通の人の3 ~ 5 倍とか。当時のボールは今より重かったらしい。代表監督としてメディア・サーカスの真っただ中にいた動のチャールトンと、過去の記憶をなくし家族に支えられながら暮らす静のチャールトンが交互に描かれていきます。彼の家族や彼のもとでプレイした選手だけでなく、ロディ・ドイル、ラリー・マレン・ジュニア (U2)、ブレンダン・オキャロル (ミセス・ブラウン) などの文化的な著名人もインタビューに答えています。