スージー・デント著の『Word Perfect』という本を読んでいます。1日に1つずつ、その日またはその時節にちなんだ英語の単語やフレーズを解説していく本。私も1日に1つずつ読んで、1年かけて読み終える予定。
12月は当然クリスマスの話題が多くなります。聞いたこともないような単語/フレーズが出てきたり、普段なにげなく使っている単語/フレーズの語源が紹介されていたりします。
聞いたこともないような単語でいうと、「Scurryfunge」。これは、来客があるというので急いで掃除すること。日本ではお正月に挨拶回りをするように、アイルランドやイギリスではクリスマスに挨拶に回るんですね。「今から行きますから」なんて連絡があって、急いで掃除すること。
12月24日のエントリは「Over the Top」でした。これは私もよく使うフレーズで、ご存じのように「やりすぎ」を表します。That was a bit over the top. などのように使います。OTT なんて略して使うこともありますね。
このフレーズがなぜクリスマス・イヴのエントリになっているのか。第一次大戦中のクリスマス休戦に関連するからです。
1914年のクリスマス、最前線のいたるところで非公式な休戦協定が結ばれ、塹壕から這い出したイギリス軍の兵士とドイツ軍の兵士が食料やたばこを交換したり、サッカーに興じたりしたという話は耳にしたことがあるかと思います。
クリスマスが終わって戦闘が再開されると、兵士たちは塹壕の壁を超え、文字どおり生死を賭けた極限の戦いに挑んだわけです。この「塹壕の壁を超えて戦いに挑む」というのが「Over the Top」の語源だそうです。
私はこの語源については初めて知ったのですが、昨日たまたまテレビでクイズ番組を見ていたら、第一次世界大戦を舞台にしたコメディー『Blackadder 4』の問題で、「Over the Top」という言葉を司会者が普通に使っていましたから、英語ネイティブの皆さんにとっては、このフレーズが塹壕戦に由来することは常識なのかもしれません。