たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

英語では乾杯のときになぜ Toast というのか

 

 

Toast というのは動詞では「こんがり焼く」という意味であり、名詞ではパンの「トースト」の意味です。また、「お前を酷い目に合わせるぞ」ぐらいの意味で「You are toast」などとも言います。日本語ですと「刺身にしてやる」でしょうか。そういう悪い意味もあるんですね。

 

ところが、ある人の健康や成功を祝したり願ったりするときは、To toast someone という言い回しを使ったりします。「乾杯」と同じように、お酒の入ったグラスを掲げて「Toast!」と言ったりもします。

 

この用法は、チャールズ2世がイングランド国王だった頃 (1660-1685) にまで遡るのだそうです。その頃、ワインの質が悪いのを隠す意味もあったのか、スパイスを利かせたトーストのかけらをワインの中に入れて風味を付けていました。そして、当時のパーティーに出席していた女性の中で、特に美しい人や成功した人も Taost (名詞) と呼ばれるようになりました。つまり、ワインに入れたパンのトーストのように、その集まりに彩りを添える人、という褒め言葉ですね。そこから、Toast が乾杯の意味で使われるようになったそうです。

 

余談ですが、18 世紀に Tatler という雑誌 (現在発行されている女性誌とは無関係) に掲載された記事によると、サマセット州のバースである美しい女性が水風呂を浴びていた。ある男がその水をコップにすくい、彼女の健康を願って (Toast して) 飲み干した。それを見ていたその男の友人が、冗談で (もしくは酔っぱらって)、「おれは飲み物よりトーストの方を味わいたいね」と言ったとか。

 

今回のブログ記事は、スージー・デント著『Word Perfect – Etymological Entertainment for Every Day of the Year』を参考にしました。

 

 

f:id:tarafuku10:20201212234310p:plain

 

アイルランド情報 人気ブログランキング - 海外生活ブログ