アイリッシュ・ウイスキーのミニボトル紹介シリーズ第七弾です。
まず、ナポーグ・キャッスル (Knappogue Castle) ウイスキー。12年、14年、16年のすべてシングル・モルトです。
このようなボックス入りで販売されています。
ナポーグ・キャッスルというのはアイルランド西部のクレア県にある古いお城です。米国海軍の高官だったマーク・エドウィン・アンドリュースと、彼の妻で建築家のラヴォーンが1966年に購入し、廃墟だったお城を修復・修繕しました。また、マークがアイルランドの蒸留所でウイスキーを樽ごと購入し始めたのもこの頃です。
ナポーグ・キャッスルは、1996年にアイルランド政府の機関に売却されましたが、彼らの息子 (この人もマークといいます) が設立したニューヨークのキャッスル・ブランズ社がナポーグ・キャッスル・ウイスキーを販売しています。原酒を蒸留しているのはブッシュミルズのようです。
ナポーグというのは英語のつづりは Knappogue ですが、もともとはアイルランド語の Cnapóige で、「キスの丘」というロマンチックな意味を持つ言葉です。
次はクロンターフ 1014 (Clontarf) です。こちらもキャッスル・ブランズ社がオーナーで、ナポーグよりも安めの価格帯。50mlの3本のミニボトルが積み重なっている面白いパッケージ。
バラすとこんな感じになります。左の2つがブレンドで、右端がシングル・モルトです。
コークで蒸留されていると説明されているので、おそらくミドルトン蒸留所の原酒を使っているのでしょう。
クロンターフというのはダブリン市内の地名で、1014年のクロンターフの戦いの舞台となった場所です。クロンターフの戦いというのは、アイルランドのハイ・キング(上王)で英雄のブライアン・ボルが、オークニーやマン島から来たノルマン人とレンスター地方の王たちの連合軍を破った戦いです。
今回の最後は、ランベイ (Lambay) ウイスキー。左がシングル・モルト。右がブレンドです。
このウイスキーの名前は、ダブリンの沖合にあるランベイ島にちなみます。この島は私有地で、20世紀の初め頃からベアリング一族が所有しています。ベアリングス銀行という銀行がかつてイギリスにありましたが、その一族です。
ベアリング一族とカミュ・コニャックのカミュ一族がタッグを組んで、2018年に販売を始めたのがこのランベイ・ウイスキー。現在は一部の樽を島内の貯蔵庫で熟成させているそうです。島内に蒸留所を建設する計画もあり、かなり具体化しているようです (計画を当局に申請済みで、大筋では承認されているとのこと)。
ランベイ島の見学ツアーもあるんですけど、これはかなりお高いお値段設定となっております。12人までの団体で 2700ユーロ(税別)から。これは団体でまとめてこのお値段ということだと思うんだけど、はっきりは書いていないので1人あたりのお値段かもしれません。ベアリング家の方が案内してくれるそうなので、訪れるほうもかなり気合を入れる必要がありそうです。
今回は以上です。