私は芸術とかアートは割と好きで、美術館に行ったりします。特に何かを語れるほどじゃないですけれど。
15年ほど前にある友人とロンドンに行ったときに、その人が展覧会を見に行きたいというので付いていったんですね。それが、テート美術館で行われたマルティン・キッペンベルガーの展覧会でした。こちらがそのときのパンフレット。
私はマルティン・キッペンベルガーの名前を聞いたことがなくて、「マニック・ストリート・プリ―チャーのジャケットのデザインもやった人だよ」と言われて、ああそうなの、と思ったのでした。
展覧会の印象は、一言で言えば「楽しかった」です。キッペンベルガーの尽きることのないアイデアがいろいろな形で表現されていて飽きることがなかった。
それで、4年ぐらい前にダブリンのオークションでキッペンベルガーのポスターが売りに出されていたのです。
キッペンベルガーが仲間の芸術家であるアルバート・オーレンとダブリンの画廊で「Day in Dub」(ダブリンの1日) という二人展を開いたときのポスターなんですけど、このポスター自体が彼の作品です。キッペンベルガー(左)とオーレンに挟まれているのはどうみても日本人女性。
たまたまだけど展覧会を見たことがあるキッペンベルガー、私の住むダブリンの画廊、そして日本人女性、ときたら、買いたくなっちゃいますよね。
65ユーロでアブセント・ビッドを入れておいたら、ちょうど65ユーロのハンマー・プライスで落札できました。アブセント・ビッド (absent bid) というのは、事前に最高入札額を指定しておけば、当日オークションの会場にいなくても、指定の額まで自動的に入札してくれる仕組みです。
私がオークションで手に入れたアイテムの中でも、このポスターは特にお気に入りです。
私とロンドンに一緒に行ってくれた友人は、私とほとんど年は変わらないのですが、数年前に早世してしまいました。そういう意味でも思い出深いアイテムです。
