たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

「日本は、ジャンクフードを食べて、運動もしないのに痩せている女の子」

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英語でBBCやCNNのニュースを見ている方の中には、いっちょかみのレポーターが芝居がかった神妙な顔つきをして、日本の新型コロナウイルス対策に関するすっとこどっこいの理屈でセンセーショナルに不安を煽るのを聞いて、おっさん、鼻の穴に屋形船突っ込んだろか、と思っていらっしゃる方も少なくないかと思います。私もその1人です。死者の数で比較すれば、日本は英/米にくらべて桁が2つ少ないんですけどね。

 

そんな中で、1つおもしろい英文記事がありましたのでご紹介します。

 

asiatimes.com

 

題して「なぜ日本はCovid-19の件でリスペクトされていないのか?」。アジアタイムズという香港のオンライン新聞に掲載された記事です。書いたのは日本在住のオーストラリア人ライター/教育者のポール・デ・ブリーズという方です。

 

なぜリスペクトされていないのか? その答えを先に書くと、「日本は、ジャンクフードを食べて、運動もしないのに痩せている女の子だから。彼女を無視したい人が半分。残りの半分は彼女を憎んでいる」。これは、記事の中で引用されているアル・ジョンソンという元軍人/アジア専門家の言葉です。

 

筆者はこう書きます。「公平に言って、日本を無視する人には言い訳が成り立つ。韓国モデルの『検査、検査、検査』の利点は理解しやすいし、適用しやすい。しかし、日本のモデルはそうではない」

 

「では、日本を憎む人はどうなのか。彼らは、ダイアモンド・プリンセス号が話題になっていた頃には、世界全体が福島(原発事故)のようになることを予見できていなかった。こうすればいいんだよ、と日本に見せつける機会が訪れるとは思っていなかった。しかし、福島を揶揄するチャントは、まだアメリカを称揚するチャントに置き換わってはいないようだ」(最後、別に「アメリカ」じゃなくてもいいんですけど、記事にはそうあったので)。

 

CNNやBBCのレポートの特徴は、悲観的な彼らのストーリーに合う数字をチェリーピックしてもってくる(ICUの数が少ないことに触れるが、CTの数が多いことには触れないなど)、マーヴェリック (異端) の専門家の話ばかりを引用する (岩田医師、上医師など)、根拠のはっきりしない陰謀論を平気でレポートに入れてくる (五輪を開催したいがために検査数を減らしている、死亡者の数をごまかしているなど)、などです。

そして、視聴者の理解が深まるように日本がどういう方針に則って対策を進めているのかには触れない。それによって、日本にいる日本語があまり上手ではない人の間で不安が高まり、そのような人が聞きたいような話をレポーターがまた取り上げる。そういうエコーチェインバーの側面もあるようです。

 

ポール・デ・ブリーズ氏の記事では、コロナウイルスに対する日本のアプローチを紹介しつつ、福島事故と関連付けて外国人と日本人の対応の違いについて独自の視点を披露するなど、面白い記事になっています。英語が苦にならない方はぜひどうぞ。

 

5月1日追記:

タイムアウトというオンライン・マガジンに紹介した記事の全文が翻訳されて掲載されました。

 

www.timeout.jp

 

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