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台湾の新型コロナウイルス対策

台湾は、新型コロナウイルスの抑え込みに成功した国の1つであると評価されています。

 

アイリッシュ・タイムズ紙に、台湾医学界の重鎮で、大学教授でもあり、台湾厚生省のアドバイザーも務めるピーター・チャン教授の長いインタビューが掲載されていました。

 

www.irishtimes.com

 

台湾が新型コロナウイルスとどのように戦ったのかには純粋に興味がありましたし、台湾の要職にある人の生の声がアイリッシュ・タイムズ紙に掲載されるのも (私の記憶では) あまりなかったので、とても面白く読むことができました。

 

以下に簡単に要約します。

 

台湾は中国に地理的に近いので、Covid-19が発生した12月初めから中国を注意深く観察していた。台湾で初の患者が確認されるまで、1か月の準備期間があった。

 

質の高い情報を得ていたわけでもないし、中国からの情報を信頼していたわけでもないが、台湾が最も早く警戒態勢に入った国であることは間違いないだろう。言葉が同じだし、多くの台湾人が中国で働いている。彼らの新聞も読む。

 

中国とは政治的な緊張が長く続いているので、この隣国については非常に注意している。

 

中国は台湾の蔡英文総統を嫌っているので、2019年6月から、中国人が台湾に渡航するためのビザの発行を止めている。クリスマスにリッチな中産階級の中国人は、タイや韓国や日本に出かけ、ウイルスを広めた。だが、台湾に来た中国人は少なかった。それが私たちにはいい方向に働いた。

 

中国にいる台湾人はクリスマスには台湾にあまり帰ってこなかった。なぜなら、一か月後の春節に帰ってくる予定だったからだ。この1か月のタイムラグにより、春節に帰ってきた台湾人を自己隔離するなどの対策を取ることができた。

 

総選挙が1月にあったのは幸運だった。日本や韓国やアメリカはこれから選挙がある。政党間の争いが激化することは、医療システムの健全な管理にはマイナスである。

 

SARSを体験していたことは大きかった。こうしたウイルスに対処するための手続き、文化、習慣が醸成されていた。医療施設の拡充も進んだ。

 

IT技術の進歩も大きな役割を果たした。武漢から帰ってきた人を空港のセキュリティでチェックして、その人が病院に行ったら、医師がその人は武漢から帰ってきたハイリスクの人だと即座にわかるようにするなど。こうしたITの活用については、プライバシーの議論があるが、先ほど述べたように政権に求心力があったのでほとんど問題にならなかった。

 

ITはマスクの購入にも役立った。国民健康保険カードを使って、週に2枚のマスクを人々に割り当てることができた。

 

(台湾は現在WHOのメンバーではないが、このパンデミックを台湾がうまく処理したという事実により、台湾をWHOに含めるべきだという意見の説得力が増すか? との質問に対して) WHOのメンバーになれば、台湾は良い情報を得られ、他の国で何が起きているか知ることができるだろう。しかし、WHOは台湾の参加を望まなかった。その理由は単純で、中国はいかなる国際活動でも台湾が参加することを嫌うからだ。

 

WHOのCovid-19への対処方法には懸念がある。今回、WHOはその存在意義を示すことができなかったというのが私の理解だ。台湾が参加し、経験や情報を分け合うことで、WHOがより良い組織になればよいと思う。

 

台湾は、オープンで透明性のある民主国家。そして、言語、地理、文化の点で中国を良く知る。中国に透明性がないのであれば、私たちが世界に良い情報を提供することができる。

 

たとえば、アイルランドはイギリスと同じ言葉を話すが、異なる価値や歴史を持っている。そういう意味で多様性は非常に重要。

 

ちょっと長くなりましたが以上です。

 

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近所のスーパーで配っていた子供用の塗り絵です。最前線で働く皆さんに感謝を伝えるためのもの。

 

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