たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

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審判とのコミュニケーション

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ソフトボールのチームを作って遊んでますが、相手チームのアイルランド人なんかは試合前に審判にしきりに話しかけたりするんですよね。フレンドリーに。で、これは単におしゃべりしたいんじゃなくて、審判が自分のチームに有利な判定をするように心理的に影響を与えようとしているのだそうです。うちのチームのアイルランド人やアメリカ人が言ってましたから、まあそういうことなんでしょう。もちろん、審判が故意に有利な判定をすることはありませんが、ラポールをうまく築いたチームに知らず知らずに有利な判定をく下すことは、経験の浅い審判ならたぶんにあり得ることなので。

日本人はこういうことをあまりしないです。これはたぶん、スポーツが学校教育の枠組みで行われてきたこともあって、審判とコミュニケーションを取ろうとすること自体が審判の権威に対する挑戦だと受け取られる土壌があるからでしょう。でも、国際試合だったら、審判は役割としてはもちろん権威がありますけど、人としては対等なので、コミュニケーションを取ろうとすること自体はまったく問題ありません。

先月のワールドカップ予選、対オーストラリア戦をインターネット観戦していたんですが、両チームの選手が通路に並んで入場を待っているシーンが映し出されました。そのとき、オーストラリアの GK シュワルツァーともう一人 (たぶんケーヒル) はさかんにレフェリーに話しかけて談笑してるんですわ。あー、こりゃやってるな、と。もちろん、オーストラリア選手がずるいとかそういうことではなくて、知らない人と会ったときは和やかにお話しするというのも礼儀のうちですから、彼らの中ではある程度オートマティックなふるまいになっているのだとは思いますが。かたわらで、日本の選手はおとなしく入場を待ってました。

それから、これは 2007 年のアジアカップ 3 位決定戦の対韓国戦です。
http://www.youtube.com/watch?v=NG_UN2Gn8W0
韓国の選手がレッドカードを受けて退場になったシーンです。韓国の選手は審判を囲んで抗議しています。熱くなっている選手もいるようですが、GKの選手などはジェスチャーから判断して、冷静にコミュニケーションを取ろうとしているようです。こういうときに、「レッドカードの判定は変わりっこないんだから抗議しても無駄」という人がいますが、それはとんでもないです。まず、抗議して時間をかせぐことによって、落ち込んだチームの士気を回復させる効果があります。それから、審判に心理的なプレッシャーを与えるという効果もあります。それは、恫喝してプレッシャーをかけるということだけじゃなく、シンパシーを抱いてもらえるような話し方をするという方法もあります。審判は絶対認めませんが、帳尻合わせで後で相手にもカードを出すなんていうこともよくありますから。

で、このとき日本人選手は誰も審判の周りに行ってません。つまり、韓国選手が審判に心理的な影響を与えようとしている行為をそのまま許しているということです。ここは、2人か3人ぐらい行って、相手選手をなだめるようなふりをして、相手選手の審判への働きかけをじゃますべきなんですね。しばらく経ってから、ベテランの中村選手がやってきて審判に話しかけています。ジェスチャーから判断すると、フリーキックの場所はどこですか? みたいな関係ない話をしているんだと思います。さすがにヨーロッパで長くやっているだけあって、中村選手はそのへんがよくわかっていると思います。

次は、これも先月のワールドカップ予選、対ウズベキスタン戦です (0.55 くらいから)。
http://www.youtube.com/watch?v=Ya6YF0JbARc
長谷部選手の退場シーンです。長谷部選手が退場になった後、そばにいた遠藤選手が来ましたが、すぐに離れます。あとはやはりまた中村選手がきて審判のそばについています。ここは、上の例の韓国チームではありませんが、もうちょっと日本の選手がサポートに来て、退場になった長谷部選手への心理的サポート、気持ちの切り替えのための時間稼ぎ、審判への心理的な働きかけを行うべきだと思います。ウズベキの選手はすぐに1人、2人やってきて、特に何をするわけでもありませんが、審判と長谷部の横にずっとついてます。この後、長谷部はしばらく粘って (阿部が交代選手で入ろうとしているのが見えたので時間を稼いだ、と試合後に語っています)、中村がなだめ役に回って試合再開になります。この辺、中村にすごく負担がかかっているんですが、もうちょっと周りの選手も審判の心理にどう働きかけるかみたいなことを考えて動かないと、と思います。

(写真は、アイルランドのサッカーリーグで活躍する女性副審)