たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

マラドーナ (1960 - 2020)

 

 

アルゼンチンの英雄でサッカー界のレジェンドのディエゴ・マラドーナが他界しました。60歳。

 

 

www.youtube.com

 

今月初旬に体調を崩して脳の手術を受けていたのですが、入院中に心臓発作を起こしたそうです。

 

マラドーナの選手としての凄さは私が今さらいう必要もないでしょうが、アルゼンチン代表として W 杯に 86 年から 4 回連続出場。クラブでもバルセロナナポリで大活躍しました。

 

私生活でも、女性関係、麻薬中毒、マフィアとの交際など、人々の耳目を集め続けました。

 

サッカー選手としてやはり記憶に残るのは、1986 年 W 杯イングランド戦での神の手ゴールと 5 人抜きのゴールですね。

 

個人的には、リアルタイムで見たのは 94 年のアメリカ大会だけです。80 年代の頃は、日本では海外のサッカーなんてそう簡単に見ることはできなかったんですよね。テレ東のダイヤモンドサッカーぐらいでした。

 

去年見たマラドーナドキュメンタリー映画『Diego Maradona』はたいへんおもしろかったです。ナポリ時代の彼を追った映画です。

 

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南アメリカマラドーナと並ぶ英雄ペレのツイート。「いつかまた空の上で一緒にサッカーができたらいいね」

 

 

 

86年のW杯の試合にイングランド代表として出場していたガリー・リネカーのツイート。「同世代のサッカー選手の中でダントツで優れた選手。そして、おそらく史上最高の選手といってもよい」

 

 

 

マラドーナの死を受けて、アルゼンチンは3日間の喪に服するそうです。

 

www.nikkansports.com

 

 

 

 R.I.P.

 

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ジェルストンズ・オールド・アイリッシュ・ウイスキー

ジェルストンズというアイリッシュウイスキーの記事がアイリッシュ・タイムズに掲載されていたので翻訳してご紹介します。

 

このウイスキーはこれまであまり宣伝活動をしてこなかったのか、あまり話題になっているのを見たことがありませんでした。といいますか、正直な話、私、今回このウイスキーのことを初めて知りました。記事にも「レーダーにひっかからないように操業していた」(直訳) と書いてありますのでそういうことなんでしょう。

 

ジェムストンズは歴史のあるブランドのようで、昔の経営者の子孫の方がブランドを復活させたようです。北アイルランド生まれでニュージーランド人のあの有名俳優もこのウイスキーの熟成に一役買っているようです。

 

(翻訳ここから)

ベルファストニュージーランドの一族をつなぐジェルストンズ・オールド・アイリッシュウイスキー

2020年11月18日

文: ジョン・ウィルソン (John Wilson)

 

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過去数年間、ジェルストンズ・オールド・アイリッシュウイスキー (Gelston’s Old Irish Whiskey) には目立った動きはなかったが、ここにきて顧客基盤を拡大する準備ができたようである。ジェルストンズを取り仕切っている男の名前はジョニー・ニール。彼は、1869年に創業者のサミュエル・ジェルストンからジェルストンズを購入したハリー・ニールの玄孫 (やしゃご) である。また、ジョニー・ニール氏の母方の祖先はグリノールズ・ジンを所有していた一族でもある。アルコール事業の血が彼の身体に流れているのは間違いない。2005年、彼は英国の最初期のクラフト・ジン蒸留所であるホイットリー・ニールを創業した。この蒸留所は現在はヘイルウッド社が所有している。

 

「私たちの一族はウイスキーになんらかのつながりがあるんだと昔から思っていたので、2007年に調査を始めた」とニール氏は言う。「しかし、実際に形になったのは5年前のことだった。ハリー・ニールはアルスター銀行で働いていたが、1851年のゴールドラッシュのときにメルボルンに移住し、食料品を販売する店を立ち上げた。大金を稼いだ彼は、パーシヴァル・ニールなど彼の兄弟に株を譲渡し、ベルファストに戻ってきた。1861年、彼はサミュエル・ジェルストンの未亡人からジェルストンズを買収した。ハリー・ニールは1891年に亡くなったが、一族は1920年代後半まで事業を継続した」

 

ニール氏はジェルストンの名前を再登録した。「ヘイルウッド社が経営に参加したとき、ジョン・ティーリングを介してブッシュミルズの古い原酒を樽で購入することができた。1991年から貯蔵庫で眠っていた樽に加え、2001年および2003年に熟成を始めた樽もいくつかあった。私たちは、25年モノのウイスキーを、アイルランドアメリカ、日本でリリースすることができた」

 

オリジナルのジェルストンズと同様に、新しいジェルストン社も他の蒸留所、主にウェスト・コーク蒸留所から原酒を購入し、自社ブランドを構築している。幅広い種類のウイスキーが取り揃えられている。

 

奇遇にも、最新のリリースであるシングル・ポット・スティル・ピノ・ノワール・フィニッシュは、彼のいとこで、パーシヴァルの子孫である俳優のサム・ニールから提供された樽で21か月間熟成されている。サム・ニールは、ニュージーランドのセントラル・オタゴにあるワイナリーの経営者としても成功しているのである。甘く熟したレッド・フルーツの風味を持つこのウイスキーは、専門店やオンラインで 49.99 ユーロで購入できる。

 

(翻訳ここまで)

明けるか、ロックダウン

 

さて、10月21日から6週間の予定で始まった2度目のロックダウンですが、12月1日の終了予定日まであと1週間となりました。来週火曜日からどのくらいロックダウンが緩和されるのか、そろそろプランが煮詰まってきているようです。

 

www.irishtimes.com

 

アイリッシュ・タイムズの報道によりますと、美術館、博物館、映画館、小売店は営業再開が決まったようです。理髪店/美容院、ジム、宗教的な集まりは、来週から再開できる可能性あり。まだ最終的には決まっていないということでしょうか。

 

アイルランドの重要なスポーツイベントであるゲーリック・フットボールとはハーリングの決勝は、無観客で行われることが決定。

 

県境を跨いでの移動はもう少しまたなければなりませんが、クリスマスに帰省できるように12月のある時点でOKになりそう。

 

レストランやパブは 12月1日に営業再開できるかどうかわかりません。業界は強力なロビー活動をしているようですが、感染拡大のリスクを減らしたい政府とのせめぎあいか。店内で飲食を楽しめるようになるには、もう少し待たないといけないのかもしれません。

 

副首相のレオ・バラッカーは、クリスマスの後、1月にも再び規制を強化しなければならない可能性についても示唆しました。

 

一方で、新型コロナウイルス関連の違反について、新しい罰金制度が先週の日曜から導入されました。公衆衛生規則に違反する屋内外でのイベントをオーガナイズした人には500ユーロの罰金。こうしたイベントに参加した人には150ユーロの罰金。移動制限に違反した人には100ユーロの罰金。公共交通機関でマスクをしていなかった人は80ユーロの罰金です。

 

www.irishtimes.com

 

それ以前は、1947年衛生法に基づき、最大2500ユーロまたは6か月の禁固刑に処する以外の方法はなかったのですが、もう少し柔軟性があって、違反の重さに応じた処置がとれるルールを導入したということらしいです。

 

個人的にいま一番営業を再開してほしいのはジムですね。外を走ったり、家でダンベル持ち上げたり、やろうと思えばやれますけど、やはりジムに行った方が集中してトレーニングできます。

 

映画館が開くのは嬉しい。いま、ハリウッドとかは新作出すのを延期しているようなので、新しい映画が来るかどうかわかりませんが、久しぶりに映画館でゆっくり映画をみたいです。また、カフェも早く開いてほしいものです。

 

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キレイにライトアップしたご近所さん



 

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250,000 ユーロで何が買えるか?

別にいま不動産を売ったり買ったりしたいわけじゃないんですが、アイリッシュ・タイムズの不動産セクションを見ていたら、アイルランド各地で 250,000 ユーロ出したらどんな物件が買えるかという記事が面白かったのでご紹介します。

 

www.irishtimes.com

 

どの物件も最近実際に250,000 ユーロ前後で売買されたものです。250,000 ユーロは日本円にするとだいたい3000万ちょいです。

 

1件目。ダブリンのドラムコンドラ (Drumcondra)。英語ではインナー・サバーブなんていう言い方しますけど、街の中心地に近い郊外 (住宅地) という感じです。シティ・センターまで歩いていくのはちょっとしんどいけど、タクシーを使うのにそんなにお金のことは気にならない、くらいの距離。

 

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 物件は、48平米のワンベッド・ルームのアパートメント。2階です。地下の駐車場付き。アイルランドの場合、築何年っていう情報は載ってないんですよね。みんなほとんど気にしないみたい。250,000 ユーロで売りにだされて、そのままの値段で売れたみたいです。

 

2 件目。ダブリンはソーズ (Swords) の105.7平米のデュプレックス (Duplex)。Duplex ってどう訳しますかね。辞書を引くと二世帯用住宅と書いてあります。Wikipedia でも玄関が別々の二世帯用住宅みたいなこと書いてありますが、写真を見るとセミ・デタッチトとはまた違うみたいです。二世帯用住宅が壁を接しながらいくつも連なっている感じですね。

 

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 ベッドルームが2つ、バスルームが2つ、広いオープン・ラウンジ/キッチンとダイニングがあります。249,000 ユーロで売りにだされて、そのままの値段で売れています。

 

3件目。キルケニー県のポールスタウン (Paulstown) の物件。キルケニー県はダブリンから車で2時間くらいかなあ。ポールスタウンはキルケニー県の県都のキルケニーやカーロー県県都のカーローの通勤圏といったところでしょうか。

 

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4つのベッドルームがある大きな一軒家。バック・ガーデンは南西に面している。269,000 ユーロで売りにだされて、7%引きの250,000 ユーロでお買い上げ。

 

4 件目。ウォーターフォード県の県都であるウォーターフォードの物件。ウォーターフォードはダブリンから車で2時間半とか3時間くらいかな。

 

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ベッドルームが2つのビクトリア調のテラス・ハウス。オリジナルの特徴を残しながら、配線や配管をやり直してきれいにしたそうです。地図でみるとかなり街の真ん中に近いあたりですね。やはり場所がいいと、地方都市でもけっこういいお値段するようです。235,000 ユーロで売りにだされて、人気があったのか値段が吊り上がって250,000 ユーロで売却されました。

 

5件目。アイルランドの西北にあるスライゴー県のベトロラ (Beltra) の物件。スライゴーは最近行ったことないんだけど、車で3時間ぐらいで行けるかな? ベトロラはスライゴー市から 15km なので通勤圏内ですね。

 

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ベッドルームが2つある可愛らしいコテージ・タイプのおうち。母屋のほかに離れとガレージも付いています。土地の広さは1 エーカー。これは、田舎生活を満喫したい方には最適なかんじ。

 

記事の紹介は以上ですけど、アイルランドの不動産売買でいいなと思うのは、機能的に問題がない限り、物件の古さが値段にあまり影響しない点ですね。日本だと中古の物件はだいたい値段が下がってしまうので、この違いはなんなんだろうと思っています。

 

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私の好きなアイルランドのロック/ポップ・ミュージック - トップ10 (後編)

 

 

前編からの続きです。

 

7. ブロワーズ・ドーター by ダミアン・ライス (2001年)

The Blower’s Daughter by Damian Rice

 

www.youtube.com

 

この曲はかなり後になって Youtube で知った曲。『クローサー』(2004年)という映画の主題歌にもなりました。震えるような歌声、シンプルだが謎めいた歌詞、感情を抑えながらも緊張感をはらんだ曲調。とてもミステリアスな曲です。ライスはインタビュー嫌いでほとんどプロモーションをしない人なので、解釈はリスナーに委ねられています。インターネット上にはいろいろな説があふれているのですが、そのほとんどに「コンサートでライス自身が語った話」という前置きが付いています。まず、タイトルの『ブロワーズ・ドーター』のブロワーズとは何なのか? クラリネットのことだとか(つまり、ブロワーズ・ドーターはライスのクラリネットの先生の娘である)、ガラス吹き職人のことだとか言ってる人もいますが、最も好奇心を掻き立てられるのは、コックニーの俗語における Blower の意味、すなわち「電話」なのだという説です。これは次のようなストーリーです。

 

ライスはプロのミュージシャンになる前に、コールセンターに勤めていて、住宅ローンや保険の電話勧誘販売をやっていた。頼まれてもいないのに電話を掛ける、いわゆるコールド・コールの仕事だったので、電話の相手に拒絶されることの連続だった。ところが、ある夏の日、電話に出た女性と話が弾み、1時間近く話し込んでしまった。金融商品についてではなく、自分たちの夢や希望について語り合い、ラポールが生まれた。少なくともライスはそう思った。彼女に夢中になったライスは、営業のフォローアップという名目で毎日彼女に電話をかけるようになる。会話はより親密なものになっていった。しかし、ある日、彼女は突然電話に応えなくなる。どうしても我慢ができなくなったライスは、電話番号を頼りに住所を突き止め、休みを取って彼女の家まで行くことにした。植え込みの陰に隠れて彼女が姿を現すのを待っていると、学校の制服に身を包んだ高校生の少女が出てきて「じゃあ、行ってくるね、ママ」と言った。その声は間違いなく電話の彼女の声だった。つまり、彼女は大人のふりをして暇つぶしにライスをからかっていたのだ。電話に出なくなったのは、夏休みが終わって学校が始まったからだった。という話。しかし、こちらのサイトには、コールセンターで働いたことはないし、この話はフィクションだとライス自身が明言したと書いてある。しかし、ソースはついていない。私が以前読んだサイトには、「未成年者に恋心を抱くストーリーなので、この話をオープンにするかどうかは迷った」みたいなことをライスが言ったというまことしやかな話が掲載されていたが。。。

 

 

8. シャイニング・ライト by アッシュ (2001年)

Shining Light by Ash

 

www.youtube.com

 

この曲もリリース当時は知らなくて、2010年くらいかな、アイルランドのロック・ポップス名曲集みたいな2枚組のCDを買って、その中に入っていた曲です。ジャングリーなギターのリフがかっこいいです。恋人を敬愛する気持ちをストレートに歌う歌詞とポジティブな曲調がすごくマッチしていていいでのです。アニー・レノックスもカバーしているのですが、私はアッシュの方が好きかな。2000年頃は仕事ばっかりしていて、音楽とかを追いかける時間はほとんどありませんでした。

 

 

 

9. トゥ・ザ・ブライト・アンド・シャイニング・サン by ザ・ウォールズ (2002年)

To the Bright and Shining Sun by The Walls

 

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ザ・スタニングというアイルランドではけっこう有名だったバンドがあったんですけど、そのバンドが解散したあと、そのバンドの中心だったウォール兄弟が結成したバンド。『トゥ・ザ・ブライト・アンド・シャイニング・サン』は確か AIB の CM にも使われていたはず。軽快なギターのリフとメランコリックなメロディーが心地いいです。ビデオに出演しているサラ・グリーンは、今ではアイルランドの映画などで主演を張るくらいの女優さんになっています。ウォール兄弟は、昔働いていたソフトウェア会社の同僚のいとこで、その同僚の結婚式に招待してもらって行ったところ、ウォール兄弟もいてちょっとお話しました。ザ・ウォールズのライブは見たことないんだけど、93年にサールズ (Thurles) で開かれたフェイラ (Féile) というサマー・イベントでザ・スタニングは見ました。ザ・スタニングとしてはそれが最後のステージになったと思います。

 

 

10. テイク・ミー・トゥ・チャーチ by ホージア (2013年)

Take Me to Church by Hozier

 

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さすがにもうアイルランドの新しいバンドやミュージシャンは追えてないというか、熱心に追いかける気力もないのですが、2010年代のバンドとしてスクリプトやコロナズに触れようとしたら、彼らは00年代のデビューだということがわかって、いやいや時間流れるの速すぎでしょ、という気持ちになりました。2010年代は楽曲でいえばやはりこの曲。声質、歌詞、メロディー、プロモーション・ビデオまで。何もかもがパワフルでソウルフル。しかし、信仰を恋人に喩えるという仕掛けを歌詞に施すことで、社会性を帯びた強烈なメッセージ・ソングなのに。暑苦しさも説教臭さもなく胸に迫ります。二十歳そこそこでこんな曲を書けるんだから、たいしたもんです。

 

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ホージア

 

次点:

ノー・フロンティア by メアリー・ブラック (1989年)

No Frontier by Mary Black

 

www.youtube.com

 

メアリー・ブラックは女性シンガー・ソング・ライター。彼女は90年頃には日本でもかなり知名度があったはず。『ウーマンズ・ハート』っていうアイルランドの女性ボーカリストのコンピレーション・アルバムが話題になっていたと思います。私も好きで、アイルランドに来た年に (93年) ポイント・シアター (今の3Arena がある場所にあったコンサート会場) に彼女のコンサートを見に行きました。もう詳細は忘れてしまったんだけど、とてもよかったという記憶は残っています。

 

 

オール・ゾーズ・フレンドリー・ピープル by フュネラル・スーツ (2012年)

All Those Friendly People by Funeral Suits

 

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フュネラル・スーツはダブリンのオルタナ・ロック・バンド。Youtube でたまたま出会って視聴しました。その後、すぐに解散 (2016年) したので、私も詳しいことはよく知りません。どの曲も何かがずれていて、私を収まりの悪い気持ちにさせるのですが、それだからこそ怖いものみたさでもう1回、もう1回と聴いてしまうのです。プロモーション・ビデオも何かを暗示しているのかわかりませんが、思わせぶりな映像で引き込まれてしまいます。ここで選んだ『オール・ゾーズ・フレンドリー・ピープル』では、山高帽を被り、鼻の高い面を被った男が、ガチョウ足行進しながら、縄で女を引きずっていくというもの。そんなに売れていたバンドだとは思わないんだけど、このビデオの視聴回数は2千万回を超えています。

 

 

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以上、私の心のベストテン (プラス次点2つ) でした。

 

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私の好きなアイルランドのロック/ポップ・ミュージック - トップ10 (前編)

 

 

昨日、ポーグズのことを書いたので、ちょっと昔の曲が懐かしくなって、私の好きなアイルランドのロックまたはポップスの曲を書き出してみました。そのトップ10をリストにしました。曲は好きな順ではなくて、年代順に並べてあります。

 

 

1. クレア  by ギルバート・オサリバン  (1972年)

(Clair by Gilbert O’Sullivan)

 

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この曲はさすがにリアルタイムで聞いていたわけではありません。ギルバート・オサリバンは1946年生まれの男性シンガー・ソング・ライター。『クレア』は、彼のプロデューサー兼マネージャーだったゴードン・ミルズの3歳の娘のことを歌った曲。ロリコン的な要素があるということで物議を醸すこともあります。ぼかした歌詞になっているので、大人同士の恋愛の歌のように解釈することもできます。とても甘いメロディーのポップソングです。オサリバンは、日本では実写版『メゾン一刻』のテーマソングになった『アローン・アゲイン』が有名かもしれませんね。

 

 

2. ティーンエージ・キック by アンダートーンズ (1978年)

(Teenage Kicks by The Undertones)

 

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1978年、私は高校生でしたが、リアルタイムではこの曲は聞いていません。ラジオの深夜放送でセックス・ピストルズのCMが流れていたのは覚えていますが、高校時代は洋楽はまったく聞いていなかったのです。大学に入ってパンクやパブロックを好んで聴くようになったのですが、そのときもアンダートーンズはひっかかってきませんでした。クラッシュやセックスピストルズは突っ張った格好をしていて、それが社会的なステートメントになっていたのですが、アンダートーンズはイトーヨーカ堂で売っているようなやっすいセーター着て演奏してたんですよ。よく聴き出したのはアイルランドに来てからです。今ではパンク周辺のバンドの中で一番好きなバンド。ティーンエージ・キックは「かわいい女の子が街を歩いているのをみるとオナニーしたくなるよね」っていう曲なんですが、そういう曲の方が後の時代には残りますね。とても政治的だったスティッフ・リトル・フィンガーズとか、当時はそっちの方が時代にフィットしていたのでしょうが、今聞くとまったくピンときません。

 

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3. ニューヨークの夢 by ザ・ポーグズ & カースティ・マッコール(1987年)

Fairytale of New York by The Pogues feat. Kirsty McCall

 

www.youtube.com

 

私がアイルランドに来たのはポーグズの影響が大きいです。外国の人がアニメが好きで日本に来るような感じですね。初めて買った彼らのレコードは2作目の『ラム酒、愛、そして鞭の響き』ですが、トラッドとパンクの融合に衝撃を受けました。1作目の『赤い薔薇を僕に』は当時日本版が出てなかったのですが、急いで輸入盤屋 (たしか高田馬場のオパス・ワン) に行って買いました。いい曲はたくさんありますけど、やはり一曲選ぶとなると『フェアリテール・オブ・ニューヨーク』になりますかね。

 

 

4. トレインスポッターズ by ザ・フランク・アンド・ウォルターズ (1992年)

Trainspotters by The Frank and Walters

 

www.youtube.com

 

私がアイルランドに来る直前にデビューしたコーク出身のスリーピース・バンド。デビュー・アルバムの『Trains, Boats & Planes』はいい曲がすし詰めなんですが、私はこの鉄道オタクのことを歌った『トレインスポッターズ』を押したいと思います。とても息の長いバンドで、今でもバンド活動を続けています。私も2回ぐらい Whelan’s にライブを見に行ったかな。去年だが一昨年だか、コークを舞台にした『The Young Offender』という RTE のドラマで『After All』という曲 (これもデビュー・アルバムに収録) が使われて、リバイバル・ヒットしました。『After All』は「最も愛されているコークの曲」(Cork's Favourite Song) に公式に選ばれています。

 

5. クレイジー・ワールド by アズラン (1993年)

Crazy World by Aslan

 

www.youtube.com

 

ダブリンのバンドといえば私にとってはアズランです。U2はダブリンのバンドというより世界のバンドなんですよね。アズランは国際的な成功を収めることはできなかったけれど、それだからこそよりダブリンの人に愛されているのかもしれません。税金も払ってるだろうし (笑)。やっぱり1曲だけ選ぶとしたら大ヒットした『クレイジー・ワールド』になるのではないかと思います。私は個人的には後期の『ハレルヤ』もすごく好きなんですけど。ライブ・ビデオの『Made in Dublin』(1999年) はすごくいいです。アイルランドに来た当初、ある事務所でバイトさせていただいてたんですけど、そこの秘書の女性がアズランのギタリストと婚約していて、クリスマス・パーティーでお会いしたこともあります。とてもいい人でした。『クレイジー・ワールド』をギター一本で歌ってくれました。

 

 

6. ゾンビ by ザ・クランベリーズ (1994年)

Zombie by The Cranberries

 

www.youtube.com

 

アイルランドに来て初めてフルタイムで働いたのがあるソフトウェア会社だったんですが、その頃クランベリーズが大ヒットしていたんですね。だから、クランベリーズというとその会社のことを思い出します。『リンガー』とか『ドリームス』とかいろいろヒット曲がありますけど、今回は『ゾンビ』を選んでみました。重たいテーマと曲調がなんとなくボーカルのドロレス・オリオーダンに一番合っているような気がするので。彼女が2018年に早世してしまったのはほんとうに残念です。

 

(後編に続きます)

 

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クリスマス・ソングの定番、ポーグスの『ニューヨークの夢』をBBCが検閲?!

今は自宅で仕事をしていますが、以前、事務所に通っていた頃は、車の中でラジオを聞いていました。そして、ポーグス/カースティ・マッコールの『ニューヨークの夢』(フェアリーテール・オブ・ニューヨーク) が流れてくると、ああもう年の瀬だなあ、などと思ったものでした。だいたい、11月の中旬~下旬ですね。

 

www.youtube.com

 

この曲は、アイルランドだけでなくイギリスでもクリスマス・ソングの定番で、ワムの『ホワイト・クリスマス』やマライア・キャリーの『恋人たちのクリスマス』と並んで、この季節で最も人気の高い曲の1つとなっています。

 

www.thesun.co.uk

 

実は、この曲には LGBT の人に対する侮蔑語が含まれていて、以前から問題になることがありました。そして遂にBBC は今年、BBC ラジオ1においては、歌詞を編集したバージョンをオンエアすると発表しました。

 

BBC ラジオ1は若者向けの音楽を中心に流す局で、若い人には侮蔑語を好まない人が多いのではないかという配慮のようです。

 

もう少しアダルト・オリエンティッドのBBC ラジオ 2 ではオリジナルのバージョンを流し、BBC  6 ミュージックというオルタナ系音楽を流す局では、DJ によってどちらかを選択することができるそうです。

 

具体的にどこがどう変わるかといいますと、マッコールが歌う「Faggot」が「Haggard」に、マガワンが歌う「Slut」が無音に編集されるということです。

 

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最近は、差別などの社会問題に敏感になる人々が増える一方で、ポリティカル・コレクトネスに神経質になりすぎるあまり言葉狩りが発生しているのではないかと心配する人もいます。

 

ポーグスのシェーン・マガワンは、2018年のインタビューで次のように話しています。

 

「Faggot は、(歌に出てくる) 登場人物が使った言葉だ。なぜなら、その言葉が彼女の話し方や人格にマッチしているからだ。彼女は感じのいい人ではなく、円満な人ですらない。歌や物語の登場人物すべてが天使ではないし、ちゃんとしているわけでも、尊敬できるわけでもない」

 

www.spiked-online.com

 

しかし、ポーグス自体は今回のBBCの対応に同意しているようです。

 

 

 

この曲の主人公は、ニューヨークに移民したアイルランド人のカップルです。若い頃には小さな成功をおさめたものの、年を取り、夢やぶれ、やさぐれていきます。2 人はいまでもカップルなのか、それとも元カレ元カノの状態になっているのかは判然としませんが、お互いを罵り、こんなふうになってしまった責任を相手になすりつけ、人生を嘆くのですが、2 人の間にはそこはかとない愛情と信頼が感じられるという、そんな歌です。

 

リリースは 1987 年。33年前の歌になります。この曲を書いたとき、シェーン・マガワンはまだ20代後半。その若さでよくこんな酸いも甘いもかみ分けたような深みのある曲を書けたなと思います。彼の誕生日は12月25日です。

 

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