たらのコーヒー屋さん - 2 店舗目

たらのコーヒー屋さんです。

『ファーザー・テッド』の記念切手

『ファーザー・テッド』が放映されてから 25 周年ということで、8 月の末に記念切手が発売されました。

 

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『ファーザー・テッド』は、1995年から 1998 年まで、イギリスのチャンネル 4 で放映されたコメディー番組。

 

アイルランド西部にある架空のクラギ―島を舞台に、住み込みの 3 人のカトリック司祭と  1 人の家政婦が繰り広げるドタバタ喜劇。

 

主要な役者も脚本家もアイルランド人なのだが、カトリック風刺がきついので、当初アイルランドで放送されなかったのは、それが原因ではないかと言われている作品。

 

今でもカルト的人気を誇っていて、何度も再放送されています。

 

切手のデザインには、主要登場人物のお決まりのセリフと、バックグラウンドには彼らが住み込んでいた家の古臭い壁紙模様が使われています。

 

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「Will You Have a Cup of Tea, Father」は、やたらと紅茶を薦めるキャラのミセス・ドイル (演: ポーリーン・マックリン) のセリフ。

 

「That’s Mad, Ted.」は、テッド神父の相棒で、お人よしだがちょっと愚鈍なところのあるドゥーガル神父 (演: アーダル・オハンロン) のセリフ。

 

「That’s would be an Ecumenical Matter.」は、いつも酒に酔っぱらって寝ているジャック神父 (演: フランク・ケリー)。この人はだいたい、Feck、Arse (ケツ)、Drink (酒)、Girl (女) しか言わないのだが、さすがにそれを切手にするのはどうかと思われたのだろう。Ecumenical Matter は「全世界のキリスト教に関わる問題」ぐらいの意味。正直に言うと、当時、私は熱心に番組を見ていたわけではないので、どういう文脈でこのセリフが発せられたかは不明。ご存じの方は教えてください。

 

「That Money was Just Resting in My Account.」は主人公のテッド神父 (演: ダーモット・モーガン) のセリフ。「その金は私の口座でちょっと休んでいただけだ」。お金をガメていたのではないかとドゥーガル神父に問い詰められたテッド神父が苦し紛れに吐いた言葉。不正なお金を貰っていたのではないかと責められた政治家が、お金は借りていただけでもう返しました、と言い逃れをすることがよくありますが、そういうときに使えるセリフですかね。

 

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記念切手の発表イベントに参加したポーリーン・マックリン (ミセス・ドイル役)


4 人の主要な役者のうち、モーガンとケリーは既に他界されました。特にモーガンは 40 代の半ばで亡くなりました。ファーザー・テッドが当たって、キャリアもこれからだ、というときだったので残念です。死因は心臓発作だったと思いますが、ニュースを聞いたときは、私もびっくりしたのを覚えています。

 

それで、どうして私が今日この記念切手の記事を書こうと思ったかと言うと、街でこの切手の宣伝のためにラッピングされた郵便ポストを見かけたからです。とてもよく目立つ、素敵なデザインだと思います。

 

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日本だったら、ドリフの「ダメだ、こりゃあ」「ちょっとだけよ」「だーいじょーぶだあ」などが切手になる感じでしょうか。

 

www.irishtimes.com

 

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ステイケーショナーのための税金優遇措置

 

www.irishtimes.com

 

ステイケーショナー (Stacationer) というのは Stay と Vacationer (バケーションする人) の合成語で、国内で休暇旅行をする人のことです。

 

9月3日に政府から発表されたこの税制優遇措置は、オフシーズンの間、コロナウイルスで大きな影響を受けたサービス業を振興することが目的です。

 

消費者がレストランや宿泊施設を利用した際の費用の 20% が所得税から控除されるとのこと。ただし上限は 625 ユーロ (つまり、控除されるのはその 20% である最大 125 ユーロ)。

 

期間は今年の10月1日から来年 4月30日まで、

 

この優遇措置の対象となるのは、登録したお店や会社のみ。登録したお店のリストは、そのうち政府の Web サイトかどこかで見られるようになるのでしょう。たぶん、お店の方も、「うちは登録してますよ」みたいなサインも出すでしょう。

 

所得税からの控除ですから、この優遇措置を受けるには、消費者の方もアイルランドに住んで所得税を納めている必要があります。なんかアプリが利用できるようになって、そのアプリを利用してレシートを簡単にアップロードできるようになるみたいです。

 

詳しくはこちら↓。

 

www.gov.ie

 

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昨年度のジェムソンの売り上げ: 日本市場では前年比 16% の成長

2020年9月2日付けで、アイリッシュ・タイムズ紙にアイリッシュ・ディスティラーズ社の決算に関する記事が掲載されていました。アイリッシュ・ディスティラーズ社はジェムソン・ウイスキーなどを製造する会社です。会計年度は6月の末まで。

 

パンデミックの影響で久しぶりに売上高が低下したものの、主要市場では伸びが続いているようです。日本でのジェムソンの売り上げは、前年比16%増でした。

 

以下に翻訳します。

 

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(翻訳ここから)

ジェムソンの売り上げが昨年を1%下回ったが、主要市場では安定した成長が継続

文: キアラ・オブライエン (Ciara O’Brien)

2020年9月2日

 

最も売れているアイリッシュウイスキーであるジェムソンは、主要市場において安定した成長を記録したものの、久方ぶりに売り上げが昨年を下回った。

 

ジェムソン・ウイスキーを製造するアイリッシュ・ディスティラーズ社は、6 月末までの会計年度において、今年前半の新型コロナウイルスの影響により、売り上げは 1% 減少すると発表した。

 

「会計年度の出だしは非常に好調であり、前半期はジェムソン・ウイスキーの売り上げが 9% 伸びた」と、同社のチェアマンでCEOのコナー・マクウェイド氏は言う。「世界で940,000ケースを販売した昨年 12 月は。弊社史上最も忙しい 12 月だった。しかし、世界中の多くの企業と同様に、コロナウイルスパンデミックが私たちのビジネスにも影響を与えた」

 

「一部の市場では成長は鈍化し、会計年度の後半には、世界的なトラベル・リテール市場などがほぼストップしてしまった」

 

しかし、マクウェイド氏によれば、ジェムソンの売り上げは 50 を超える市場で伸びた。南アフリカ、ロシア、イギリス、アイルランドなどの主要市場のほか、ナイジェリアや中国などの新興市場でも成長を記録した。

 

ジェムソン・ブランドの主要市場と考えられている米国については同社は触れなかった。

 

市場別の成長率は、アイルランドが 2%、イギリスが 9%、オーストラリアが 17%、ドイツが 30% である。南アフリカとロシアでは 1% ずつ伸びた。新しい市場であるナイジェリアと中国では、それぞれ 163% と 48% 成長した。さらに、インドでは 25% 増、日本では 16% 増だった。

 

アイリッシュ・ディスティラーズ社が発売する高級ウイスキーの売り上げも伸びている。レッド・ブレストは 15%、ミドルトンは 14% 成長した。2月には、ミドルトン・ヴェリー・レア・サイレント・ディスティラリー・コレクションもリリースされた。これには、45 年もののアイリッシュシングル・モルトが含まれている。このコレクションは、2025 年まで毎年 1 種類ずつ発売される予定である。

 

レディ・トゥ・ドリンク (RTD) 部門は 2019/20 年も引き続き好調だった。ジェムソンの RTD は、オーストラリアとカナダの高い成長率に支えられ、前年比で 31% 伸びた。

 

「RTD の成長は、消費者トレンドの方向性を示している。イノベーションと利便性が求められているのだ」とマクウェイド氏は語る。

 

ジェムソン・ウイスキーとコールド・ブリュー・コーヒーを組み合わせたジェムソン・コールド・ブリューは、まずアイルランド国内で試験的に販売され、その後、1月にアメリカで正式に発売が開始された。新型コロナウイルスの影響にもかかわらず、「消費者からの反応は非常によく、素晴らしいスタートを切ることができた」とマクウェイド氏は言う。

 

「ビジネスを取り巻く環境が厳しいことは間違いない。しかし、アイリッシュウイスキー業界が非常に打たれ強いことは歴史が知っている」

 

「輸出にけん引され、過去 10 年は非常に好調だった。ジェムソンの回復力には自信を持っている。成長はこれからも続くはずだ」とマクウェイド氏は述べた。

 

(翻訳ここまで)

毎日自分に絵葉書を出しています

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私は毎日、自分に絵葉書を出しています。まあ、サボるときもあるので、そこそこ毎日。2917年の8月30日に始めたので、ちょうど3年になりました。

 

書く内容はたわいのないことです。その日にしたこと。映画見たとか、夜ごはんに何を食べたとか。要するに日記です。

 

始めたきっかけですが、あるチャリティー・ショップに行ったところ、アイルランドのひと昔前のなんでもない絵葉書が50枚ほど2ユーロで売っていたので、買ったのです。引き出しにしまっておくだけではつまらないので、使ってみようと始めました。

 

毎日自分に絵葉書を出すメリットについて説明します。

 

第一に、ほぼ毎日絵葉書が届くので嬉しいです。

 

また、私はもともと郵便関係好きなので、記念切手とか買いたいんですが、切手を収集するほどではないんですね。なので毎日絵葉書を出すという口実で記念切手を買うことができます。

 

それから、旅行に出かけた時に買う物ができるんですよ。アイルランド国内を1人で車で日帰り旅行したりしますが、そのとき記念に買う物がないんですよ。そんなに欲しくもない高い物を買うわけにもいかないし、冷蔵庫マグネットばかり買うわけにもいきません。

 

そういうとき、絵葉書は便利です。行った場所ならではの絵葉書がありますし、なにより安いです。

 

それから、まあ日記ですから、あとで見返せば当然記録にもなります。

 

絵葉書にもいろいろありますが、アイルランドにいるときは、アイルランドに関係する絵葉書を使うようにしています。日本に一時期帰国したときは日本テーマの絵葉書を出します。

 

アイルランドに関係する絵葉書といっても、いくつかカテゴリがあります。

 

1 つはキャロル (土産物のチェーン店) で売っているような観光客向けの絵葉書。Real Ireland や John Hinde などのポストカードですね。これらは安いのでよく買います。

 

それから、宣伝グッズとしての絵葉書。こちらは当然無料で手に入ります。私は宣伝の絵葉書が好きで、すぐに捨てられてしまいそうな儚さが素敵です。

 

それから、アート系の絵葉書。先日ご紹介したアイルランドの風景写真の絵葉書セットもそうですし、美術館や博物館でも手に入ります。

 

町を歩いてこまめに探すのが楽しいんですね。今年前半のロックダウンの最中は、散歩ぐらいしかすることなかったので、そこらへんを歩き回りました。で、トーマス・ストリートのコンビニや雑貨屋に、中途半端に古い10年くらい前の絵葉書が棚ざらしになっていて、そういうのを見つけるのも嬉しかったです。トーマス・ストリートはシティ・センターからギネス工場に行くときに通る道なので、観光客の往来も多いのでしょう。でも、あのほこりを被った絵葉書を買う人いるのかな。

 

この自分に毎日絵葉書を出すという趣味ですが、もっと若い頃からやっていればよかったなあと思います。きれいな写真の絵葉書をいっぱい買えたのに。でも若い頃はほかに楽しいこともいっぱいありますからね。まあご検討ください。

 

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ハンバーグ屋の怪

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 夏なので怖い話をします。

 

私は学生の頃、高円寺に住んでいました。

 

駅の近くに安くておいしいハンバーグ屋さんがあって、よく行っていました。

 

今でもそのお店はあります。

 

そのお店はいつも 2 人態勢で、1人がハンバーグをこねたり、グリルしたりするシェフ。

 

もう 1 人が、注文を取り、お冷を出し、会計したりする係です。

 

ある日、店を訪れると、変な時間だったせいで、客は私一人でした。

 

この日はなぜかスタッフも 1 人しかいませんでした。

 

とりあえずカウンターの席に座ります (この店はカウンターしかありません)。

 

水をもらい、注文を済ませます。

 

ところが、何も起こらないのです。

 

スタッフさんは料理を始めるわけでもなく、手持ちぶさたそうにその場に立っています。

 

私もお店の人に話しかけたりするタイプではないので、ぼうっと座って待っています。

 

けっこう時間が経ったと思います。

 

5分くらい経った頃でしょうか。

 

私のうしろにあったトイレから、突然、水を流す音が聞こえてきました。

 

そして、シェフが手をふきながら出てきたのです。

 

背筋に寒いものが走りました。

 

シェフは、何事もなかったようにキッチンに入り (オープンキッチンです)、素手でハンバーグをつまんでグリルを始めました。

 

ハンバーグはいつもと同じようにおいしくて、特に変わったスパイスなどは入っていないようでした。

 

以上です。

 

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シェッド蒸留所のビジター・センターが 9 月にオープン

リートリム県にあるシェッド蒸留所のビジター・センターが 9 月にオープンします。新型コロナウイルスの影響で製品の売り上げには悪い影響が出ており、海外からの観光客の訪問は少なくとも今年はあまり見込めませんが、思い切りチャレンジしていくようです。その心意気やよし。

 

アイリッシュ・タイムズ紙の記事 を翻訳してご紹介します。

 

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(翻訳ここから)

リートリム県のシェッド蒸留所: 300 万ユーロを投資したビジター・センターが来月オープン

文: キアラン・ハンコック (Ciaran Hancock)

2020 年 8 月 12 日

 

リートリム県のシェッド蒸留所を所有する一族は、同社のドラムシャンボ・ジンやウイスキー製品をテイスティングする観光客がほとんどいない状況の中で、300 万ユーロ (約 2 億 3000 万円) をかけて作ったビジター・センターの営業開始を決定した。

 

 

同蒸留所のマネージング・ディレクターで設立者のパット・リグニー氏は、アイリッシュ・タイムズ紙のポッドキャストである「インサイド・ビジネス」で次のように語った。「オープンするというのは重大な決断だった。6月1日のオープンを目指していたが、(新型コロナの制限により) 予定の変更を余儀なくされた。しかし、9月10日にオープンすることを決定した。オープンに向けて全力を尽くすことが非常に重要だ。士気を高めるためにも重要だし、ドラムシャンボの村やリートリム県の人々、そして私たちを応援してくれるすべての人との関係を築くためにも重要だ」

 

「明るい面を見れば、アイルランドの地方にはたくさんの (国内からの) 旅行者が訪れている。9月から12月にかけて、私たちの蒸留所にも多くの人が訪問してくれることを期待している」

 

 

リグニー氏は、「数百人、できれば数千人」がビジター・センターを訪れることを願っている。「2021年には、25,000人から30,000人の訪問者を期待している」。フル稼働になれば、この施設では 20 人のスタッフが雇用される。

 

 

2014年に設立されたシェッド蒸留所は、ドラムシャンボー・ガンパウダーアイリッシュ・ジンを製造していることでよく知られているが、先日、シングル・ポット・スティルのアイリッシュウイスキーの発売も開始した。

 

 

ジンの売り上げ

 

昨年のジンの年間販売本数は100万ボトルを上回っており、パンデミックが始まるまでは、140万ボトルという2020年の販売目標も達成確実なペースで売り上げも伸びていた。「言うまでもなく、世界を覆うこの状況に私たちも影響を受けている。旅行者向け小売り (訳注: おそらくデューティ・フリーの売り上げも含むと思われる) の売り上げはおそらく 90% ほど減少しており、これは当社の事業には大きな打撃だ。事業のやり方に、これまで以上に工夫が必要だ」

 

 

2019年9月末までの会計年度で、同社は 710 万ユーロの売り上げを計上した。今年度の売り上げは 800 万ユーロを超えるとリグニー氏は予測している。「新型コロナにより、成長の勢いは約半分に削がれた」。今年の成長は 10 ~ 15% に留まると彼は見ている。

 

「3月までは好調に推移していた。60か国でジンを販売しているが、新型コロナの問題が発生するまで、売り上げは絶好調だった。現在の状況が厳しいことは間違いない。この困難な状況が過ぎ去った後、すべての市場で目覚ましい成長を取り戻すことができると考えている。難しいことはわかっているが、懸命に取り組み、工夫を重ねる必要がある」

 

(翻訳ここまで)

 

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イタリア ’90 展 - リトル・ミュージアム・オブ・ダブリン

イタリア ’90 展をやっているというので、リトル・ミュージアム・オブ・ダブリンに久しぶりに行ってきました。

 

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「イタリア ’90」というのは、1990年に開催されたサッカーW杯のイタリア大会のことです。アイルランドはこの大会で初めて本大会に出場を果たし、グループリーグは3試合連続引き分けで決勝トーナメントに進み、1回戦のルーマニア戦でも引き分けのあとPKで勝ち抜け。ベスト8ではイタリアのスキラッチに点を取られて敗退するわけですが、ここまで勝ち残るとはだれも思っていなかったので、アイルランド国内は大騒ぎだったようです。

 

イタリア ’90から30年が経ち、当時の監督だったジャック・チャールトン氏は先月お亡くなりになったばかりです。

 

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入場料は10ユーロ。熱を測るために赤外線センサーを額に向けられました。初めての体験。ガイドツアーもあるにはあるのですが、頻繁に行われるわけではないので、ガイドツアーがいい人は事前に確認してください。

 

名前のとおり小さなミュージアムですが、部屋ごとにテーマに沿った展示がされており、たっぷり時間をかけて楽しむことができます。

 

1階の部屋にある最初の展示は「The Golden Age of Dublin」。1790年頃のダブリンの建物を描いた版画が展示されています。これは、ジェームズ・マルドンというイギリス人の画家によるもの。大英帝国第二の都市として隆盛を誇ったダブリンの当時の様子が伝わってきます。マルドンの名前は知らなくても、彼の作品はどこかでご覧になったことがあるかもです。

 

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2階に上がると、ダブリンの風俗に関するグッズやポスターを集めた部屋があります。この部屋の中に入って雰囲気を味わうだけでも楽しいですし、時間を忘れてひとつひとつ詳細に見ていくのも乙なものです。

 

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ミセス・ブラウンやロス・オキャロル=ケリーといった、割と新しいキャラクターの像もありますね。

 

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それから、その隣は、おそらく独立運動に関する部屋だと思います。

 

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さて、3Fは 4 つのセクションに分かれています。まず U2の部屋。U2に関連するメモラビリアが展示されています。ミュージアムという澄ました名前ながら、大量のグッズが所狭しとやんちゃに並べられているのは嫌いではありません。

 

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そして、今回の目玉のイタリア’90の部屋です。

 

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イタリア’90のアイルランド代表の出身地がパネルになっていたんですが、これを見てみると、アイルランド出身者は思ったより少ないですね。3分の1ぐらいでしょうか。祖父母の1人がアイルランド出身ならアイルランドの国籍が取得できますから、そういう人はイギリスにはいっぱいいます。それで、チャールトンがスカウトしてきてアイルランド代表に入れたんですよね。

 

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テレビの中に入って一緒に応援しているところの写真を撮れますよ、という企画。こういう SNS 用の展示は最近は必須ですね。

 

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それから、おもしろいのは、エーモン・ダンフィーがスタジオで放り投げたと言われるボールペン (またはそれによく似たもの) が展示されていたことです。

 

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エーモン・ダンフィーというのはアイルランドのサッカー解説者で、毒舌かつ頑固で有名な人なのですが、この人はジャック・チャールトンの戦術 (いわゆる放り込みサッカー) が大嫌いでした。それで、エジプトと引き分けた試合の生解説で、「こんなサッカーをするならアイルランド人であることを誇りに思わない」と言ってボールペンを放り投げたという有名な逸話があって、それにちなむ展示です。(実際には、「アイルランド人であることを誇りに思わない」とまでは言ってなかったそうです)。

 

それから、アイリッシュ・タイムズ紙の編集室を再現する部屋もありました。

 

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フラン・オブライエンという作家がいて、日本でも何冊か翻訳が出ています。この人は長い間アイリッシュ・タイムズにコラムを書いていました。そこで、海外で出版された彼の小説を集めた本棚もありました。日本語の本も見えますね。

 

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最後は、部屋ともいえない狭くて細長い空間に映画のポスターが何枚か貼ってある展示。うっかりすると見逃してしまいそうです。これは、アイルランドで検閲を受けた映画のポスターを集めた展示です。上映されなかったものもありますし、ポスターを改変しなければならなかったものも含まれます。

 

たとえば、この『無頼の谷』(Rancho Notorious) という映画のポスター。左がアイルランドのポスターで右がオリジナルのポスターです。オリジナル版は女優さんが扇情的な赤い服を着ていますが、アイルランド版では緑のドレスを着せられています。

 

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この女優さんはマレーネ・ディートリヒ。当時50歳前後で、孫が生まれたばかり。おばあちゃんがこんなはしたない恰好をしているのはいかがなものか、ということで、検閲されたとかされないとか。

 

その他の映画もメモしてきたので書いておきますと、『暗黒街の女』(Party Girl)、『The Smashing Bird I Used to Know』、『Dublin Nightmare』、『How to Succeed in Business Without Really Trying』、『Professor Tim』、『The River's Edge』、『Too Bad She’s Bad』でした。

 

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イタリア ’90 展は10月1日まで。

 

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